久門剛史 「Dear Future Person,」

　京都市立芸術大学ギャラリー＠KCUAで、久門剛史による個展 「Dear Future Person,」が開催されている。

　同廊は、2010年より拠点としていた堀川御池を離れ、2023年10月にオープンした京都駅東側エリアの本学新キャンパス内にて活動することになった。新たな展示室での記念すべき最初の展覧会として、気鋭の美術家・久門剛史による個展を開催。

　久門は1981年京都府生まれ、京都府在住。同大学彫刻専攻出身。自らの体験を通じて自然、地球、そして宇宙と人間との関係を考察し、それらに着想を得た音、光といった無形の事象と造形物で構成するインスタレーション作品を中心とした制作活動を続けてきた。繊細でありながらも、スケールの大きな事象を感じさせる豊かで巧みな表現によって、観者個々の身体感覚に訴えかけ、潜在的な意識への気づきをもたらす作品は、国内外で高く評価されている。

　本展は、久門にとって出身地であり、活動拠点でもある京都での初個展となる。緻密にプログラムされた空間と事象の構成の巧みさを強調されがちだが、ほかの追随を許さぬ造形力、制作過程においても一回性、唯一性を貫くその精神もまた、久門作品に緊張感を与える最も重要な要素のひとつとなっている。会場では、新しい同廊の展示室にあわせて構成された、唯一無二の大規模なインスタレーションが展開されている。