EXHIBITIONS
菅亮平「Blank Maps」
CAGE GALLERYで、菅亮平の個展「Blank Maps」が開催されている。
菅は、おもに美術館やギャラリーの展示空間それ自体を題材とした写真作品や映像作品で知られている。「空虚(ヴォイド)」を主題とした創作に取り組み、絵画、写真、映像、立体、サウンド、パフォーマンスなど、様々なメディウムを横断的かつ包括的に扱いながら、国内外で作品制作とアートプロジェクトを行っている。
本展で発表される新作《Thematic Map of the Blank》では、これまでの菅のいくつかの作品のなかでモチーフとなってきた「地図」を題材としたものだ。菅は本作の制作にあたって、ルイス・キャロルの小説「スナーク狩り」を参照した。
同作は「スナーク(the snark)」と呼ばれる、架空の生物を探し求める探索隊の物語であり、そのなかには白紙の海図を手に航路に出るという示唆的な逸話が登場する。白紙の海路は、一般的に考えられる地図としての機能を果たさない矛盾に満ちた存在であるいっぽうで、その空白の表面は現実の海とその表象の界面それ自体を指し示しているとも言える。現実と表象の対照性の間に横たわる白紙の地図というテーゼは、長年にわたって菅を惹きつけてきた。
菅の《Thematic Map of the Blank》では、白の凸版印刷によって枠取られた長方形の空白の外側に、「LATITUDE(緯度)」「EQUATOR(赤道)」「SOUTH POLE(南極)」「MERIDIAN(子午線)」「ZENITH(天頂)」といった、座標を表す10の用語が各辺に沿って並べられて印字されている。それらの文字情報は、各シートごとに配列と位置が異なっており、その意味や指示性は無効化されているかのように解釈される。本展では、ふたつのウィンドウ・ギャラリーに対して、それぞれのシートが一枚ずつ展示され、会期中入れ替えを行いながら合計4枚の作品が展示される。
菅は、おもに美術館やギャラリーの展示空間それ自体を題材とした写真作品や映像作品で知られている。「空虚(ヴォイド)」を主題とした創作に取り組み、絵画、写真、映像、立体、サウンド、パフォーマンスなど、様々なメディウムを横断的かつ包括的に扱いながら、国内外で作品制作とアートプロジェクトを行っている。
本展で発表される新作《Thematic Map of the Blank》では、これまでの菅のいくつかの作品のなかでモチーフとなってきた「地図」を題材としたものだ。菅は本作の制作にあたって、ルイス・キャロルの小説「スナーク狩り」を参照した。
同作は「スナーク(the snark)」と呼ばれる、架空の生物を探し求める探索隊の物語であり、そのなかには白紙の海図を手に航路に出るという示唆的な逸話が登場する。白紙の海路は、一般的に考えられる地図としての機能を果たさない矛盾に満ちた存在であるいっぽうで、その空白の表面は現実の海とその表象の界面それ自体を指し示しているとも言える。現実と表象の対照性の間に横たわる白紙の地図というテーゼは、長年にわたって菅を惹きつけてきた。
菅の《Thematic Map of the Blank》では、白の凸版印刷によって枠取られた長方形の空白の外側に、「LATITUDE(緯度)」「EQUATOR(赤道)」「SOUTH POLE(南極)」「MERIDIAN(子午線)」「ZENITH(天頂)」といった、座標を表す10の用語が各辺に沿って並べられて印字されている。それらの文字情報は、各シートごとに配列と位置が異なっており、その意味や指示性は無効化されているかのように解釈される。本展では、ふたつのウィンドウ・ギャラリーに対して、それぞれのシートが一枚ずつ展示され、会期中入れ替えを行いながら合計4枚の作品が展示される。