EXHIBITIONS

開館90周年記念特別展

竹内栖鳳 破壊と創生のエネルギー

竹内栖鳳 虎・獅子図(左隻) 1901 三重県立美術館蔵 後期展示

 京都市京セラ美術館で、開館90周年記念特別展 「竹内栖鳳 破壊と創生のエネルギー」が開催されている。

 竹内栖鳳は、近代京都の日本画界に最も大きな影響を与えた画家だ。画壇革新を目指した明治期には、旧習を脱却した新たな日本画表現を模索し、西洋にも渡った。技術が円熟に達した大正・昭和期には、画壇の重鎮として、第一線で活躍しながら多くの弟子を育成したことでも知られている。「写生」を重要視しながら、抜群の筆力で生き生きとした作品を生み出し、圧倒的な求心力で画壇をリードして、近代京都日本画の礎をつくった。現在では巨匠として多くに知られる存在だが、そこへ至るためには、古い常識を破壊し、新たな地平を創生するエネルギーが不可欠であった。

 本展では、同館所蔵の重要文化財《絵になる最初》を始め、若手時代から円熟期まで、栖鳳の代表作を集めて展示し、一堂にその画業を振り返る。栖鳳の挑戦をより明らかにするため、本画に加え、制作にまつわる写生や下絵、古画の模写など、様々な資料もあわせて展示される。作品約130点で栖鳳の奮闘を余すところなく振り返る、大規模回顧展となっている。