EXHIBITIONS

企画展 「浪漫の光芒ー永見徳太郎と長崎の近代」

2023.10.14 - 2024.01.08

満谷国四郎 長崎の人 1916 油彩、キャンバス 倉敷市立美術館(永見旧蔵品)

 長崎県美術館で、企画展 「浪漫の光芒ー永見徳太郎と長崎の近代」が開催されている。

 長崎有数の資産家のひとりとして 「銅座の殿様」と呼ばれた永見徳太郎(1890〜1950)。永見家は江戸時代より続く長崎を代表する商家であり、若くしてその当主となった徳太郎は、青年実業家としての活動を展開するいっぽう、南蛮美術を中心としたコレクター、戯曲等の執筆に励む文筆家、写真や絵画を手がけるアーティストなど、驚くべき多彩な顔をもって長崎の芸術文化に関わった。文化人としての永見の名は長崎にとどまらず全国にとどろき、芥川龍之介、竹久夢二など中央で活躍する芸術家たちが長崎を訪れる際には銅座の永見邸を訪れ、永見の蒐集した美術・工芸作品を鑑賞し、長崎の持つ異国情緒を存分に味わっていたという。後半生は長崎を離れるものの、長崎に対する愛情は途絶えることなく、精力的な執筆活動を通して、長崎の芸術文化の発信につとめた。

 本展では、永見が手がけた絵画や写真作品をはじめ、南蛮美術を中心とする旧蔵品、交流した芸術家たちの作品を展示することで、その多彩な仕事の全貌に迫る。