北斎のまく笑いの種

　すみだ北斎美術館で、企画展「北斎のまく笑いの種」が開催される。

　江戸時代、狂歌や滑稽本、落語など、庶民でも楽しめる文化が花開き、人々に「笑い」をもたらす「笑いの種」が増加した。北斎や門人たちは、笑顔や照れ笑い、怪しげな笑いにいたるまで、世間にあふれる多様な笑いの表情や仕草、また笑いが生まれる状況をとらえて見事に描き分け、巧みに表現する。さらに、様々な笑いを表現してきた北斎は、笑いを誘う戯画シリーズの作品も描いている。

　本展では、北斎と門人たちが描いた笑いにまつわる作品を前期・後期あわせて約115点紹介する。北斎による戯画シリーズ「鳥羽絵集会」「風流おどけ百句」「謎かけ戯画集」などから約40図が展示され、このうち32図は同館初公開となる。また11月3日には江戸文化体験として林家あんこによる落語鑑賞会も行う予定。