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EXHIBITIONS

青野文昭展 未来の復元・迷走する時間 ーかつて仮構された街のチラシ欠片からー 1996~2011~2023

2023.09.07 - 09.21

「ある海辺の街かどで」なおす・想構・集積(かつて仮構された街のチラシ欠片から) 2023 ©︎ 青野文昭

 Gallery TURNAROUNDで 「青野文昭展 未来の復元・迷走する時間 ーかつて仮構された街のチラシ欠片からー 1996~2011~2023」が開催されている。

 青野文昭は1968年宮城県仙台市生まれ。1990年代より一貫して 「修復」をテーマに、空き地や海岸などで拾った廃棄物を、その欠損部分や使われた痕跡を手がかりに 「なおす」方法を用いて作品を制作。家具や自転車、日用品など異なるもの同士を接合・復元する過程で他者の記憶に向き合い、知識や想像力によって新しいかたちを与え、「もの」に宿る念を引き出すことを試みている。自身も被災者となった2011年3月の東日本大震災以降は、津波によって壊れ、傷ついたものを 「なおす」ことに集中的に取り組んできた。

 本展で発表されている作品は、青野が1996年頃に宮城県名取市閖上で拾ったチラシの欠片に由来。少年時代に釣りに出かけ、かつては自身も教壇に立つなど身近な場所であった 「閖上」という土地にまつわる記憶と時の経過に向き合いながら、新たなかたちを引き起こす。