梅原徹 「Parallax +Drive」

　音楽家、美術家として領域横断的な活動を行ってきた梅原徹の自身二回目となる個展が、茨城・水戸のARTS ISOZAKIにて開催されている。

　音という媒体とその現在性を通して、様々なスケールの空間や時間へと表現をフィードバックさせる梅原の活動は、映像やダンス作品の劇伴制作、アルバムリリースやミックスの提供、舞台作品への出演など多岐にわたる。

　本展では 「Parallax +Drive」と題し、身体と都市社会がそれぞれ行う情報制御とその相互作用に着目。 「シークエンス / シーケンサー」の概念を出発点とした新作サウンドインスタレーション作品を発表する。

　滞在制作などを通してフィールドレコーディングを行ってきた梅原が、観測する自身の身体をとらえ直し、生物の基本動作のひとつである 「まばたき」をトリガーに断片的な記録を音風景へと再構築する。

　他者や物質との間に生まれるコミュニケーションと、その自己組織化の原理を紐解きながら、レコーディングによって定在化された音響を言語学的パターンとして空間に還元する新作作品が展示されている。