EXHIBITIONS

TOPコレクション 何が見える?『覗き見る』まなざしの系譜

ネグレッティ&ザンブラ クリスタル・パレス 1854年頃 東京都写真美術館蔵

作家不詳 光学箱 19世紀頃 東京都写真美術館蔵

出光真子 Make Up 1978 東京都写真美術館蔵

 東京都写真美術館で「TOPコレクション 何が見える?『覗き見る』まなざしの系譜」展が開催される。

 本展では、同館の写真史・映像史に関するコレクションのなかから、「覗き見る」ことを可能にした装置と、それによって生み出されたイメージ、そして「覗き見る」ことからイマジネーションを広げた作家たちの多様な表現を紹介する。

 カメラの原型となったカメラ・オブスクラは、その機構を流用することで、遠近法と凸レンズの効果を利用して箱の中の景色を楽しむピープショーとして、18~19世紀のヨーロッパで広く流行した。そのほか覗き見る装置のバリエーションとしては、顕微鏡や望遠鏡などの科学的な装置や、ステレオスコープのような立体視のための装置、動く絵を生み出す装置などが挙げられる。本展では、当時の貴重な装置を、実際に体験できるレプリカを交えながら展示するほか、それらの装置で使用されていた絵や写真も多数紹介。

 現代では液晶モニターやディスプレイを見ながら撮影する場合も多く、「覗き見る」まなざしを意識せずとも日常生活の一部となっていると言えるだろう。人々を魅了してやまない「覗き見る」行為と、それによって生まれるまなざしの系譜を、東京都写真美術館のコレクションから探求する。