EXHIBITIONS

キム・ハク 写真展 「⽣きる IV」

YOKOHAMA COAST ROOM3
2023.06.24 - 07.09

キム・ハク 刺繍レースの布とカンボジアの絹絣の巻きスカート
(ソック・ポーン / 1965年タケオ州生まれ、神奈川県在住)「生きる」プロジェクトより

キム・ハク 幼少時の火傷の痕とトウガラシ
(萩原カンナ [チアンセン・テアッケナー] / 1970年プノンペン生まれ、神奈川県在住)「生きる」プロジェクトより

キム・ハク 14Kローズゴールドのベルト、サンポット・ホール、金のダングル・ブレスレット
(諏訪井セタリン [ペン・セタリン] / 1954年プノンペン生まれ、東京都在住)「生きる」プロジェクトより

 YOKOHAMA COASTで、キム・ハクによる写真展 「⽣きる IV」が開催されている。

 キム・ハクは1981年カンボジア生まれ。クメール・ルージュ政権崩壊の2年後に⽣まれ、両親から当時の記憶を聞いて育つ。キムは政権前後のカンボジアの社会史を記憶・再⽣・再解釈するプロジェクト 「⽣きる」 をはじめ、⼟地や建物の記憶や変化する祖国の⾵景を撮影して記録し、カンボジアの政治的・⽂化的構造に関連するテーマを探求。これまで、東南アジア、中央アジア、ヨーロッパ、オセアニア、アメリカで個展を⾏うほか、世界各地の国際写真フェスティバルや展覧会にも多数参加している。

「⽣きる」プロジェクトは、カンボジア、オーストラリア、ニュージーランドで制作展⽰され、アジア、ヨーロッパ、アメリカの都市で紹介されてきた。1970年代から続いたカンボジアの内戦を逃れて、⽇本に暮らす、カンボジアルーツの⼈々の所持品を撮影した写真と⽂章による作品群は、暗い過去に埋もれた個⼈の物語に光を当て、歴史を⽣き抜いた⼈間の逞しさや希望の⼒、未来へつなぐ重要性ときっかけを⾒る⼈に提⽰し、反響を呼んだ。昨年のこの反響を受け、今年はカンボジア・プノンペンを拠点に活動するキュレーターのメタ・モエンを迎え、未発表の作品を加えた写真展を開催している。

 本展は、⽇本に住むカンボジアにルーツを持つ⼈々が 「⾃分らしさ」を⼤事にすること、また、カンボジアから難⺠として移住してきた⼈々やその家族のウェルビーングについて考え、当事者の視点でサポート活動をリードすることが⽬的となっている。
 
 なお、会期中にはカンボジア内戦を⽣き抜いた家族の実情に触れることのできるパブリックプログラム、書籍の再販も実施。