ういたび_celebrating

　東京・上野にオープンしたMoon Gallery & Studioで、こけら落としとしてグループ展「ういたび_celebrating」が開催されている。キュレーターは侯米蘭。参加アーティストは松尾華子、丸山太郎、根本祐杜、REMA、seii、月兎、髙橋直宏、吴雨珏、Joiii Xu、楊璞頼馨、張雨論、邹紫薇。

　展示タイトル「ういたび」は漢字で「初他火」と書き、生理中の女性が炊事の際に別の火を使う物忌みの一種を表す。民俗学においてはまた、「旅」の語源は「他火」とされており、本展においても新たな自己を探す「タビ」という意味が込められている。

　会場では、文化的・社会的なジェンダーから肉体を解放する作品を展示。丸山太郎の作品は人間の器官が放つ生命力を感じさせ、高橋直宏の作品は「身体の正しさ」に揺らぎをもたらす。根本祐杜はペニスを主体性の持つ人体として扱い、REMAは髪型や化粧などのセルフイメージを忠実に作品化、月兎は妊娠中の身体経験を通した心身の再認識を試みている。このような12名のアーティストによる作品群は、鑑賞者に新しい身体像を提示するだろう。