EXHIBITIONS

ささきなつみ展「土は外へ」

太郎平画廊
2023.06.02 - 06.24

ささきなつみ 寄と派の生

 太郎平画廊で、ささきなつみによる展示「土は外へ」が開催されている。

 さきなつみは、1999年岩手生まれ、今年3月に東北芸術大学大学院修士課程を修了した。さきなつみは「別の生き物としてありたい」という欲求があり、日本画の手法でウサギのような長い耳をもった自画像を描いていた。やがて人間のあり方は想像上の異星人のように様々であってもよいのではないかと考え、「リンジン」というシリーズを始める。

 動植物や虫の特徴と人体が融合した未知の生物「リンジン」を皮革の上に描写するほか、「リンジン」が使っていたと想定したテラコッタ粘土によるユーモラスな作品、「リンジン」の研究者であるNによる手記や実験道具などをモチーフとした作品も制作している。

 研究者Nは、この未知生物「リンジン」について「全身青緑色で長い耳のような器官があり、体長3.3メートルの人型をしている」と説明する。本展は、研究が続けられる「リンジン」が土に特別な感情を抱いていたというストーリーから触発されて「ささきなつみ氏」(「リンジン」とNの軌跡をたどる人物でありアーティスト本人)が制作した作品を展示するものとなっている。