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EXHIBITIONS

ピーター・シスの闇と夢

ピーター・シス 《Flying Man》 © Peter Sis, エリック・カール絵本美術館寄託

ピーター・シス 《Happy Children》 © Peter Sis, エリック・カール絵本美術館寄託

ピーター・シス 《チベットー赤い箱のひみつ》 © Peter Sis, エリック・カール絵本美術館寄託

ピーター・シス 《三つの金の鍵 魔法のプラハ》 © Peter Sis, エリック・カール絵本美術館寄託

ピーター・シス 《鳥の言葉》 © Peter Sis, エリック・カール絵本美術館寄託

 市立伊丹ミュージアムで 「ピーター・シスの闇と夢」が開催されている。

 ピーター・シスは、1949年旧チェコスロバキア・ブルノで、映像作家の父と芸術家の母のもとに生まれた。プラハの美術工芸学校とロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで美術を学んだのち、アニメーション作家として活動。1982年にロサンゼルスオリンピックの映画を制作するためチェコ政府から派遣され渡米。新聞、雑誌、書籍、アニメーション映画と様々な分野で活躍した。さらに絵本『かいじゅうたちのいるところ』で知られるアメリカの絵本作家・モーリス・センダックの知己を得て絵本の制作を始める。現在もニューヨークを拠点に活動している。

 アニメーション 『Heads(頭)』(1979)はベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞。また、シスの絵本はニューヨーク・タイムズ紙が選ぶ年間ベストテンに何度も選ばれ、 『星の使者ーガリレオ・ガリレイ』と 『かべ 鉄のカーテンのむこうに育って』はアメリカの優れた絵本に与えられるコールデコット・オナー賞を受賞している。

 シスが世に送りだした約30冊の絵本のなかには、故郷の思い出を描いた 『三つの金の鍵 魔法のプラハ』や 『かべ 鉄のカーテンのむこうに育って』などの代表作をはじめ、小さな子供たちのためにつくった絵本、広い世界を旅した英雄への憧れを込めた物語、 ダーウィンやガリレオなど抑圧に屈することなく意志を貫いた偉人たちの伝記絵本などがある。

  本展では、アメリカに移住したのちに生み出した数々の絵本原画と資料に加え、絵本作家となる前に冷戦下の旧チェコスロヴァキアで制作し、国際的な評価を得たアニメーションの原画や、新聞雑誌の挿絵、地下鉄や空港といった公共の場のためのアートプロジェクト作品などの約200点を紹介しながら、シスの創作の軌跡を辿る。