EXHIBITIONS

田名網敬一「世界を映す鏡 A Mirror of the World」

2022.11.12 - 12.25

©︎ Keiichi Tanaami Courtesy of NANZUKA

 田名網敬一の個展「世界を映す鏡」がNANZUKA UNDERGROUNDで開催される。本展は、3110nz by LDH kitchen(11月15日〜12月24日)での展示と同時期開催となる。

 2020年7月、NANZUKA(渋谷)のギャラリー移転前最後の展覧会であり、コロナウイルス流行の第一波と第二波の合間を縫って開催された「記憶の修築」において、田名網は自身の人生における記憶、知識と経験、そこから派生するイメージの増幅(=夢)といったテーマを回顧的に紡いだ。それは、田名網の人生と時代の流れをともにしてきた日本の「戦後」という時代の残像を、個人史として色鮮やかに描き出した一連の曼荼羅図とも呼ぶべきものだった。

 コロナ禍における制作活動は、田名網に意外な副産物をもたらしたという。田名網は、画材屋でF6号のキャンバスを大量に購入し、ピカソ作品の模写することを日課とするようになり、やがて田名網オリジナルの「ピカソシリーズ」が生み出されていった。

 3年近い期間に400点以上を手がけたこの創作活動を、「写経のようなもの」と田名網は語る。模写を繰り返すことである特定の作品において、ピカソが画面のどこから描き出したのか、どのように色をつくっているのか、画面のどこのポイントをより強調して描こうとしていたのかなどが理解できるようになったという。

 本展では、NANZUKA UNDERGROUND(神宮前)の1階スペースにて、ピカソシリーズ約300点を公開。移動式販売スタンド(Kiosk)を模したインスタレーションを中心に展開する。

 いっぽう、 ギャラリー2階と3110nz by LDH kitchen(目黒)では、膨大なイメージの蓄積から生み出された新作のキャンバスペインティングに加え、コラージュ作品、そして最新のアニメーション作品《赤い陰影》を展示する。

 また、11月10日から11月16日の期間、渋谷PARCO 2階にあるスタジオ2G内、NANZUKA2Gにおいて、非営利目的海洋環境保護団体の「ParleyfortheOceans(パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ)」とのコラボーションによって制作された桐製の限定サーフボードを展示。本企画の利益は、Parleyより海洋環境の保護のために使用される。