EXHIBITIONS

軽井沢安東美術館 開館記念企画

軽井沢安東美術館 展示室

 長野県・軽井沢町に、藤田嗣治の作品のみを収蔵・常設展示する美術館「軽井沢安東美術館」(代表:安東泰志、館長:水野昌美)が開館する。

 10月8日から始まる開館記念企画では、藤田の代名詞ともいえる「乳白色の下地」の裸婦が誕生したパリ時代から、その後、日本や中南米の旅を経て再びパリに戻り、洗礼を受けてレオナール・フジタとなった晩年まで、珠玉の作品群約150点を紹介する。

 藤田は、戦前のパリで成功した数少ない日本人画家のひとり。1913年に渡仏し、「乳白色の下地」の裸婦で1920年代のヨーロッパ画壇を席巻。時代の寵児となった藤田だが、数奇な運命に翻弄され、晩年はフランス人レオナール・フジタとして穏やかな生活を営んだ。

 軽井沢安東美術館は、藤田作品だけを常設展示する、日本では初めての個人美術館として誕生。多くの企業再生に携わってきた代表理事の安東泰志と安東恵の夫妻が長年収集し、自邸に大切に飾ってきた藤田の作品約180点を所蔵する。

 そのコレクションは、藤田が生涯描き続けたモチーフである「少女」「猫」「聖母子」の絵画を中心に、初期の貴重な風景画や藤田の代名詞ともいえる乳白色の裸婦、自ら装飾した家具や食器といった手仕事までを網羅している。

 開館記念企画では、「渡仏~スタイルの模索から乳白色の下地へ」「旅する画家~中南米、日本、ニューヨーク」「ふたたびパリへ~信仰への道」「少女と猫の世界」をテーマに、所蔵主要作品ほぼすべてを展示。同館のコレクションの全貌を概観できるまたとない機会となる。

 加えてフランスの藤田財団の全面協力のもと、藤田の展覧会では珍しい撮影スポットを展示。この特別な期間に限り、同館での思い出を持ち帰ることができる。

 なお軽井沢安東美術館では今後、企画展などの開催も予定している。