EXHIBITIONS

コレクション解体新書 Ⅰ

フジタが目黒にやって来た ―作品収集のあゆみ―

2022.10.08 - 11.20

秋岡芳夫 赤い家 1948 目黒区美術館蔵

髙島野十郎 百合とヴァイオリン 1921-26 目黒区美術館蔵

古茂田守介 踊り子達 1946 目黒区美術館蔵

秋岡芳夫、 KAK+佐藤電気産業株式会社 クライスラーキャビネットMS-200 1956 目黒区美術館蔵

武内鶴之助 冬の小川 1918 目黒区美術館蔵

鈴木省三 森Ⅱ 1983 目黒区美術館蔵

飯田善國 目黒川夜景 2 1954-55 目黒区美術館蔵

 目黒区美術館は開設準備室設立以来の、コレクション形成の歴史をたどる展覧会「コレクション解体新書 Ⅰ フジタが目黒にやって来た ―作品収集のあゆみ―」を開催する。

 同館は開館に先立つ1981年度より、海外へ留学するなど国際的に活躍した作家や、素材や技法の特質をよく示す作品を中心に、日本の近代から現代に至る美術の歴史を俯瞰できるコレクションを目指して作品収集を行ってきた。最初の収蔵作品となった藤田嗣治《動物群》を皮切りに、数多くの日本人作家の秀作を収蔵し、その数は現在2400余点におよぶ。

 87年の開館以後は、美術館活動に応じて収集の傾向も次第に変化していった。例えば、目黒にゆかりある作家の作品は、展覧会の開催を通じて関係者の厚意による寄贈もあってその数を増やし、美術館を特徴づける主要なコレクションとなった。さらに近年は、インテリアショップやデザイナーが多い目黒の地域的特性をとらえ、生活芸術の分野に関連する作品も収蔵している。

 本展は「フジタが目黒にやってきた(1981年~86年)」「個性的な展覧会と地域へのまなざし(1987年~97年)」「新たな地平へ:生活芸術と素材・画材へのアプローチ(1998年~2007年)」「目黒区美術館の新たなレガシー(2008年~2018年)」の年代ごとに4章で構成。開館前から現在に至る同館のコレクション形成の歩みを振り返りながら、作品収集の過程や取得時のエピソード、さらには取得資金の仕組みまで、普段なかなか見ることのできない美術館の舞台裏を紹介する。