EXHIBITIONS

岡山芸術交流2022

Okayama Art Summit 2022

旧内山下小学校、岡山県天神山文化プラザ、岡山市立オリエント美術館、シネマ・クレール丸の内、林原美術館、岡山後楽園、岡山神社、石山公園、岡山城、岡山天満屋
2022.09.30 - 11.27

キービジュアル

旧内山下小学校校庭 芝生のアート作品イメージ
tiravanijaoffice

旧内山下小学校 体育館 曽根裕の作品 ※参考画像
Yutaka Sone, Amusement Romana, 2002 / wood, paint, FRP [H400×W1650×D1025cm] /
Collection: 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa / Photo: KIOKU Keizo

岡山城 池田亮司の映像作品 ※参考画像
Ryoji Ikeda, data.flux [LED version]audiovisual installation, 2021 / © ALTERNATIVE KYOTO 2021
 Imagination as a Form of "Capital"

 岡山市で3年に1度開催される国際現代美術展「岡山芸術交流」。2022年は「僕らは同じ空のもと夢をみているのだろうか(Do we dream under the same sky)」をタイトルとして、アーティスティックディレクターにタイ出身のリクリット・ティラヴァーニャを招いて開催する。

 2016年に始まった岡山芸術交流は、現代美術の展覧会、地域に開かれた持続的な場を提供するパブリックプログラムを軸に展開されてきた。これらに基づきながら、リクリット・ティラヴァーニャは今回が有機的な展覧会となることを目指し、自らを含む13ヶ国から全28組の作家が参加する。旧内山下小学校をはじめ、岡山城・岡山後楽園周辺エリアの様々な歴史文化施設10会場で約60点の作品を点在させる。

 参加作家は、<アーティスト>リクリット・ティラヴァーニャ、ラゼル・アハメド、アート・レーバーとジャライ族のアーティストたち、王兵(ワン・ビン)、ダニエル・ボイド、リジア・クラーク、アブラハム・クルズヴィエイガス、円空、池⽥亮司、⽚⼭真理、ミー・リン・ル、デヴィッド・メダラ、アジフ・ミアン、プレシャス・オコヨモン、フリーダ・オルパボ、ヴァンディー・ラッタナ、バルバラ・サンチェス・カネ、笹本晃、ジャコルビー・サッターホワイト、島袋道浩、曽根裕、アピチャッポン・ウィーラセタクン、梁慧圭(ヤン・へギュ)、<イベント>ペパーランド、ゲルト・ロビンス、<グループ>オーバーコート、伊勢﨑州(備前焼)・スミス 一三省吾・木口 ディアンドレ(烏城彫)、<パフォーマンス>Untitled Band(Shun Owada and friends)。

 メイン会場となる旧内山下小学校はコミュニティゾーンとして開かれ、校庭を入場無料ゾーンとするとともに、体育館などでは参加型の展示も予定。とくに校庭では岡山芸術交流の開催以来初となる、クラウドファンディングを活用したリクリット・ティラヴァーニャの芝生のアート作品を披露する。

 また作品展示にとどまらず、曽根裕、大和田俊らが本展のために結成した「Untitled Band(Shun Owada and friends)」や、写真家・音楽評論家の能勢伊勢雄が主宰するライブハウス「PEPPERLAND」のコーディネートにより、多数の出演者を迎えたイベントも見どころのひとつとなる。

 いっぽう岡山県天神山文化プラザには22組のアーティストの作品を俯瞰できるインデックス展示が設置されるほか、リニューアル工事中の岡山城では池田亮司が「人間と宇宙の融合」をコンセプトとした映像作品を発表するなど、岡山市の街歩きをしながらアートを楽しむことができる(来場にあたっての注意事項や最新情報は、公式ウェブサイトへ)。

 岡山芸術交流2022のタイトル「僕らは同じ空のもと夢をみているのだろうか」は、昨今のパンデミックや世界情勢を踏まえて冠されたもの。ティラヴァーニャは「疑問文としてすべての要素を備えていながらも文末に疑問符のないこのセンテンスは、アイディアの入り口にしかすぎません」と述べている。

 本展はアートを介して国境や性別、世代を超えた人々が岡山で交流し、想像力を刺激し合うことで、新たな未来を創出する原動力が育まれることを期待している。