EXHIBITIONS

ポーラ美術館開館20周年記念展

ピカソ 青の時代を超えて

2022.09.17 - 2023.01.15
 ポーラ美術館が開館20周年記念展「ピカソ 青の時代を超えて」を開催する。悲しみを抱えた貧しい人々を見つめ、比類のない人間像を生み出した「青の時代」を原点として、ピカソの画業をとらえ直す大規模展。

 青の時代にあたる1901年から1904年、20代だったピカソは、青を主調色に貧しい人々の姿を描き、生と死や貧困のテーマの深奥に踏み込んだ。バルセロナとパリを往復しながら生活し、親友カサジェマスの自殺を経て、精神的な苦悩に向き合った。ピカソ自身も困窮していたため、この時期に制作された絵画の多くは、同じキャンバスに何度も描き直しされている。

「青の時代」を超えて、実験的なキュビスムの探究、さらに円熟期から晩年に至るまで、91年の生涯を通して旺盛な制作意欲を絶やすことのなかったピカソ。その絵画は没後から半世紀を経てなお、生きた表現の力を鮮烈に放ち続けている。

 本展は、国内でも屈指のピカソ・コレクションを誇るポーラ美術館とひろしま美術館の共同企画であり、これまで欧米の美術館の協力を得て深めてきた作品研究をもとに、ピカソの制作のプロセスに焦点を当て、絵画芸術に挑んだその作品を初期からとらえ直す試み。

 展示構成は「1900年の街角―バルセロナからパリへ」をプロローグとして、「青の時代 ―はじまりの絵画、塗重ねられた軌跡」「キュビスム―造形の探究へ」「古典への回帰と身体の変容」「南のアトリエ—超えゆく絵画」の4章からなる。

 ポーラ美術館とひろしま美術館のコレクションをはじめ、国内外の重要作を展示し、最新の科学技術を用いた調査や研究を通して20世紀の巨匠が残した創造の軌跡に迫る。