EXHIBITIONS
安藤忠雄「時をつなぐ建築」
amanaTIGPで、安藤忠雄の個展「時をつなぐ建築」が開催中。本展に合わせ発表される新作のポートフォリオ集『ANDO BOX VII』より写真作品4点、模型作品2点に加え、安藤直筆のオリジナルドローイング、2019年に発表された『ANDO BOX VI』より写真作品15点の、計22点を展示している。
新作『ANDO BOX VII』は、17世紀に建設されたヴェネチアの旧税関「プンタ・デラ・ドガーナ」、そして18世紀に建設され、21世紀初頭まで稼働していた商品取引所「ブルス・ドゥ・コメルス」という2つの歴史的建造物の再生プロジェクトに焦点が当てられている。公的機関だったこれらの建築物は、現在、実業家でコレクターのフランソワ・ピノーの私蔵する現代美術館がその機能を引き継いだ。安藤にとって歴史の刻まれた建物の再生は、長いキャリアのなかで挑戦的に取り組み続けているテーマである。
安藤は再生において、新旧の融和を目標にしてはいないと言う。それぞれの空間の独立性を認め、安藤が新旧の仲介者となることで対話を促し、再生へつないでいく。ドローイング・プリントに緻密に書き込まれたディテールと、300分の1スケールで再現されている模型は、再生における安藤建築の構造を理論的に説明している。
本展で展示される『ANDO BOX VI』のうちの写真群15点は、安藤が活動の過程で追い求めてきた「建築の光」を自ら撮影したもの。表層の装飾的な要素に頼らない、裸体の空間を試みるようなコンクリート打放しの造形にあらゆる角度から光が差し込む建築は、アカデミズムとは一線を画す。その特徴的な建築空間の下地には、安藤が自身の足で世界を渡り歩き、様々な建築を目の当たりにした経験がある。
安藤はかつて自身が感銘を受け、いまでも忘れ難い建築として言及するロンシャン礼拝堂のような、静かで柔らか、それでいて人々の心のなかに永遠に生き続けるほどの強烈な美しさを持つ光を追い求め、現代建築を牽引する存在となった現在まで様々なプロジェクトに取り組んでいる。本展覧会は、写真というメディウムを通して、時に「光の芸術」とも称される安藤建築に対峙できる好機となる。
新作『ANDO BOX VII』は、17世紀に建設されたヴェネチアの旧税関「プンタ・デラ・ドガーナ」、そして18世紀に建設され、21世紀初頭まで稼働していた商品取引所「ブルス・ドゥ・コメルス」という2つの歴史的建造物の再生プロジェクトに焦点が当てられている。公的機関だったこれらの建築物は、現在、実業家でコレクターのフランソワ・ピノーの私蔵する現代美術館がその機能を引き継いだ。安藤にとって歴史の刻まれた建物の再生は、長いキャリアのなかで挑戦的に取り組み続けているテーマである。
安藤は再生において、新旧の融和を目標にしてはいないと言う。それぞれの空間の独立性を認め、安藤が新旧の仲介者となることで対話を促し、再生へつないでいく。ドローイング・プリントに緻密に書き込まれたディテールと、300分の1スケールで再現されている模型は、再生における安藤建築の構造を理論的に説明している。
本展で展示される『ANDO BOX VI』のうちの写真群15点は、安藤が活動の過程で追い求めてきた「建築の光」を自ら撮影したもの。表層の装飾的な要素に頼らない、裸体の空間を試みるようなコンクリート打放しの造形にあらゆる角度から光が差し込む建築は、アカデミズムとは一線を画す。その特徴的な建築空間の下地には、安藤が自身の足で世界を渡り歩き、様々な建築を目の当たりにした経験がある。
安藤はかつて自身が感銘を受け、いまでも忘れ難い建築として言及するロンシャン礼拝堂のような、静かで柔らか、それでいて人々の心のなかに永遠に生き続けるほどの強烈な美しさを持つ光を追い求め、現代建築を牽引する存在となった現在まで様々なプロジェクトに取り組んでいる。本展覧会は、写真というメディウムを通して、時に「光の芸術」とも称される安藤建築に対峙できる好機となる。