EXHIBITIONS

国際芸術祭「あいち2022」

愛知芸術文化センター、一宮市 常滑市 有松地区(名古屋市)ほか
2022.07.30 - 10.10

「あいち2022」のロゴマーク

百瀬⽂ Jokanaan 2019
EFAG EastFactoryArtGallery(東京、2019-2020)での展⽰⾵景 愛知県美術館蔵

ニャカロ・マレケ Enclosed 2020
Photo by Andrew Wessels Courtesy of the artist

シアスター・ゲイツ 「A Clay Sermon」(ホワイト・チャペルギャラリー、ロンドン、2021-2022)での展⽰⾵景
Photo by Theo Christelis © Theaster Gates Image courtesy of Whitechapel Gallery

ミット・ジャイイン Peopleʼs Wall 2019
Photo by Jim Thompson Foundation Courtesy of the artist and Jim Thompson Foundation

 3年に1度開催される国際芸術祭「あいち2022」のテーマは「STILL ALIVE」(今、を生き抜くアートのちから)。愛知県で行われた2005年の「愛・地球博」、そして「あいちトリエンナーレ」の歴史を継承し、国内外から招聘した100組のアーティストとともに、現代美術や舞台芸術など最先端の芸術を発信する。芸術監督は片岡真実(森美術館館長、国際美術館会議[CIMAM]会長)。

 会場は愛知芸術文化センターのほか、一宮市、常滑市、有松地区(名古屋市)のまちなかにも展開。「現代美術」「パフォーミングアーツ」「ラーニング」の3つのプログラムを軸に構成される。

「現代美術」では、本祭のコンセプトのひとつ「コンセプチュアル・アートの源流を再訪する」に基づきながら、国内外82組のアーティスト、グループの新作を含む作品を各会場で展示。メイン会場の愛知芸術文化センターには、河原温、荒川修作+マドリン・ギンズ、アブドゥライ・コナテ、奥村雄樹、カズ・オオシロ、ケイト・クーパー、笹本晃、塩見允枝子、潘逸舟(ハン・イシュ)、ミルク倉庫+ココナッツ、百瀬文、横野明日香、渡辺篤(アイムヒア プロジェクト)ら、ほか多数が出展する。

 いっぽう、織物の街として知られる一宮市、日本六古窯のひとつに数えられる常滑市、かつて江戸と京都をつないだ歴史的な町並みが残る有松地区での展示では、それぞれの土地の歴史にふれながら、「STILL ALIVE」という共通テーマを作品を通して考えていく。

 舞台芸術を展開する「パフォーミングアーツ」では、愛知県芸術劇場や愛知芸術文化センター周辺でおよそ14演目を上演。国内外の先鋭的な演劇、音楽、ダンスなどの舞台芸術作品や関連プログラムのほか、現代美術の文脈で語られてきた「パフォーマンス・アート」にも注目し、舞台芸術をより横断的に楽しむためのレクチャーやトークなども開かれる。

 そして本祭で特徴的な「ラーニング」は、「アートは一部の愛好家のためのものではなく、すべての人がそれぞれのやり方で楽しみ享受するもの」という考えのもと、本祭の開幕前から始まっている「リサーチ」や「レクチャー」、来場者に様々な鑑賞体験を提案する「ガイドツアー」「ボランティア・プログラム」などのプログラムを実施する。

「あいち2022」のテーマは「STILL ALIVE」は、愛知県出身で世界的に評価されるコンセプチュアル・アーティストの河原温が、1970年代以降に電報で自身の生存を発信し続けた「I Am Still Alive」シリーズから着想を得たもの。この「STILL ALIVE」を多角的に解釈し、過去・現在・未来を往来しながら、アーティストたちの力強い表現を通して、困難な時代に生きる私たちの「生」について考える。

 なお、オンラインでの映像配信やプログラムも実施予定。各プログラムの詳細は公式ウェブサイトをチェックしてほしい。