これまで4回にわたり行われてきた「あいちトリエンナーレ」。その後継として、新たな国際芸術祭「あいち2022」がいよいよ開幕を迎えた(会期は10月10日まで)。
組織委員会会長を大林組会長でアートコレクターとしても知られる大林剛郎が、芸術監督を森美術館館長で国際美術館会議会長の片岡真実が務める今回。テーマには愛知県出身の世界的アーティスト・河原温のメールアート《I AM STILL ALIVE》からとられた「STILL ALIVE(いまだ生きている)」を掲げる。
7月29日の記者会見で大林会長は「世界から集まったアーティストの素晴らしい作品を堪能してもらいたい。4会場の地域の魅力も発見してもらえれば」とコメント。
いっぽう片岡は「STILL ALIVE 」というテーマに触れつつ今回の展示を振り返り、「私自身が、こうした時代をどうやって生き抜くことができるのか、そのためにアートがどのような価値をもたらすのか、を見たかった」と語っている。
会場はこれまでもメイン会場となってきた愛知芸術文化センターのほか、一宮市、常滑市、名古屋市有松地区といったエリアが会場として設定されている。片岡はこうした街中会場について、「選んだ場所と作品の関係性、土地の歴史もあわせて見てもらいたい」と期待を込める。
プログラムは「現代美術」「パフォーミングアーツ」「ラーニング」「連携事業」「オンライン展開」の5つからなり、32の国と地域から100組が参加。「現代美術」ではAKI INOMATAやアンネ・イムホフ、シアスター・ゲイツ、百瀬文、カズ・オオシロ、笹本晃、塩田千春、マルセル・ブロータース、曹斐(ツァオ・フェイ)、シアスター・ゲイツ、許家維(シュウ・ジャウェイ)、バリー・マッギー、ミルク倉庫+ココナッツ、奈良美智、ガブリエル・オロスコ、塩見允枝子、渡辺篤(アイムヒア プロジェクト)、縄(愛知県芸チーム initiated by 奈良美智)らが参加。
コロナ禍で海外アーティストを選定するために、コスミン・コスティナス(パラサイト エグゼクティブ・ディレクター/キュレーター)、ラーナ・デヴェンポート(南オーストラリア州⽴美術館館⻑)、マーティン・ゲルマン(インディペンデント・キュレーター)、島袋道浩(美術家)など8名がキュレトリアル・アドバイザーとして参加するという方式が採られた。現代美術のキュレーションは、中村史子(愛知県美術館主任学芸員)と堤拓也(キュレーター/グラフィックデザイナー)の国内キュレーター2名が担当している。
各エリアの注目作品は追って紹介したい。