EXHIBITIONS

細川護熙展「明日への祈り」

細川護熙 百鬼蛮行 ーわたしのゲルニカー 2022 撮影=齋藤芳弘

細川護熙 神よ憐み給え ―私のミゼレーレ― 2022 撮影=齋藤芳弘

 ポーラ ミュージアム アネックスはウクライナ支援を目的にした、細川護熙の展覧会「明日への祈り」を開催する。

 1938年生まれの細川護熙は、作陶をはじめとする創作活動に加え、2009年から油絵を、2012年には襖絵の制作を開始し、京都や奈良の寺に襖絵を奉納するなど、その活動は多岐にわたる。

 今回、細川はウクライナにおける悲惨な現状について、ひとりのアーティストとして「何かできることは無いか」を考え、本展の開催に至った。

 本展では、ウクライナを想い、明日への祈りをささげた新作《百鬼蛮行―わたしのゲルニカー》ほか、漆絵や書など過去に制作された作品を展示・販売。また、平和と安寧を願い、2019 年に奈良の薬師寺慈恩殿に奉納された障壁画大下図と、今年の5月13日に京都の龍安寺に奉納する雲龍図襖絵の下図もあわせて展示。なお、展覧会での収益はUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)へ寄付を予定している。

「ウクライナの悲惨な状況が毎日伝えられていますが、今日の事態は決して、日本から1万キロも離れた国のひとごとでは済まされません。まさに我々は自分のこととして対応しなければならない大変な問題です。

今、この戦火の中で苦しんでいる人たちのことを思うと、とてもじっとしてはいられません。

私はこれまで書、陶、絵、漆などの創作活動をしてきましたが、いま私にできることは、せめてアーティストとして絵筆を執り、平和への願いを込めて作品を描くことだと改めて強く思いました。ウクライナの状況に心を揺さぶられ描いた油絵「百鬼蛮行―わたしのゲルニカー」などを展示させていただくと共に、今まで描いた絵画や書などの作品を展示、販売し、あるいは、募金箱にご寄付いただき、その益金を、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を通じて支援したいと考えています。ひとりでも多くの方にご賛同いただけることを心から願っています(細川護熙)」。