EXHIBITIONS

どこかで?ゲンビ 平野薫「傘」

2022.04.29 - 09.25

平野薫 untitled –rain hiroshima- 2018 参考画像

 2020年12月より改修工事のため長期休館中の広島市現代美術館。館外展示プロジェクト「どこかで?ゲンビ」の一環として、平和大通り沿いにあるヱビデンギャラリー(広島市中区)にて広島を拠点に活動する作家・平野薫を紹介する。

 平野は1975年長崎県生まれ、2003年に広島市立大学大学院芸術学研究科博士後期課程を修了。古着の衣服や傘などを糸の一本一本にまで解き、結び直して再構成する繊細なインスタレーションを手がけている。糸という素材に還元されることで可視化された時間は、作家が作業に費やした時間を示すだけでなく、人の記憶や衣服に染みついた歴史をも浮かび上がらせる。

 また近年では、こいのぼりを解いて日本独自の風習にフォーカスした取り組みや、電動ミシンを作品の一部に採り入れて産業革命以後の労働の歴史に言及するなど、作品の幅を広げている。

 今回の展示では、広島の様々な場所で忘れ物として保管されていた傘を譲り受け、それらを解いたインスタレーション作品を展開する。