EXHIBITIONS

どこかで?ゲンビ ビデオアート編 田中功起

(参考)コレクション展2012-Ⅲ「時をとらえる」(広島市現代美術館、2012)展示風景

(参考)コレクション展2012-Ⅲ「時をとらえる」(広島市現代美術館、2012)展示風景

 2023年3月にリニューアル・オープンを予定している広島市現代美術館。休館中は美術館が位置する比治山公園に近いアパートの一室に活動拠点のひとつとして鶴見分室101(いちまるいち)を開設し、展示や情報発信を行っている。

 今回、館外展示プロジェクト「どこかで?ゲンビ」の一環として、「どこかで?ゲンビ ビデオアート編」では、田中功起の映像作品を紹介する。

 田中は1975年生まれ、2000年に東京造形大学美術科絵画専攻卒業。異なる背景を持つ人々がともに生きることは可能なのか、という極めて根本的な問いを立て、あらかじめある特殊な状況を設定したのち、参加者たちがそのタスク(課題)に取り組む様子をとらえた作品を多く制作し、国内外で高く評価されている。

 田中が過去に手がけた作品を振り返ってみると、とくに2000年代半ば頃までは、日用品といったものや、普段の生活における人々の何気ない行為に着目し、そうしたものを中心に巻き起こり得る現象や、場合によっては人の介入によって生じる、落ちのない顛末をとらえて作品として発表していた。

 当時の田中による、ものへの眼差しや、何気ない行為が示し得る可能性への関心は、あらゆる形態の「共生の可能性」を作品を通じて考察しようとする、のち(そしていま)のアーティストの試みにつながっていることに気づかされる。

「どこかで?ゲンビ ビデオアート編」第4弾は、田中の比較的初期の映像を含む、《each and every》(2003)、《everything is everything》(2005〜06、シングル・チャンネル・バージョン)、そして《ディスカッシング・アンノウン(彼の未来の作品)》(2012)の3点を展示する。