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どこかで?ゲンビ ビデオアート編 原田裕規

原田裕規 One Million Seeings 2019 © Yuki HARADA

 2023年3月にリニューアル・オープンを予定している広島市現代美術館。休館中は美術館が位置する比治山公園に近いアパートの一室に活動拠点のひとつとして鶴見分室101(いちまるいち)を開設し、展示や情報発信を行っている。

 今回、館外展示プロジェクト「どこかで?ゲンビ」の一環として、「どこかで?ゲンビ ビデオアート編」では、原田裕規の映像作品を紹介する。

 原田裕規は1989年山口県生まれ、2016年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。幅広い視覚文化を対象とした調査、思索に基づき、作品制作のみならず、執筆、キュレーションなど多彩な表現方法を採用し、ユニークな活動を展開している。

 今回の「どこかで?ゲンビ ビデオアート編」で展示する映像作品《One Million Seeings》(2019)は、一般の人々によって撮影され、その後不要なものとして手放された写真を作家が収集し、それらを見届ける様子を記録したもの。作家による行為は24時間にわたり続けられ、その様子を2つのカメラがとらえている。本作は、私たちが日常的に親しむ行為としての写真、そのイメージの持つ意味について問いかけるものといえる。

 なお会期最終日の4月16日には、《One Million Seeings》の24時間上映を実施。作品の上映中は、作家が在室する予定だ。