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ヤン・フードン

Yang Fudong

 楊福東(ヤン・フードン)は1971年中国・北京生まれ、95年杭州・中国美術学院卒業。主に35ミリフィルムを用い、中国の人々をとらえた叙情的な映像作品を発表している。代表作「竹林の七賢人」(2003〜07)は、中国故事を着想源に、上海映画とドキュメンタリーの手法で撮影したモノクロの映像作品。全5章からなる同シリーズは、世俗から離れて清談を交わす7人の文人の生活と、現代の中国に生きる若者たちの人生を重ね、農村で共同生活を送る男女7名の体験や苦悩、内面を映し出した。そのほかの主な作品に、中国都市部の青年たちを撮影した「断絶された未来」(1997〜2002)、荒野の山犬を追ったドキュメンタリー《雀村往東》(2007)、採石場とそこで働く労働者を映す複数の画面を配置したヴィデオ・インスタレーション「青麒麟」(2008)などがある。

 2014年には、初のデジタルカラー作品《The Coloured Sky:New WomenⅡ(彩色天空:新女性Ⅱ)》を公開した。これまで、ヴェネチア・ビエンナーレ(2003、2007)、ドクメンタ(2002)、横浜トリエンナーレ2001などの国際展に参加。近年の個展に、「The Coloured Sky:New Women II」(エスパス ルイ・ヴィトン東京、2017〜18)、「Moving Mountains」(Shanghai Center of Photography、中国、2016)、「Yang Fudong, The Light That I Feel」(大邱美術館、韓国、2016)、「ヤン フードン─将軍的微笑」(原美術館、東京、2010)などがある。