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西村有

Yu Nishimura

 西村有は1982年神奈川県生まれ、2004年多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業。道端の風景、走り去る車、森を歩く人など、日常の何気ない断片を透明感のあるタッチで描く。たんなる風景の再現ではない、日々の気づきや制作のなかで生じる発見の積み重ねによってつくり出される絵画作品が展示室で隣り合うとき、1点1点に関連性はないものの、鑑賞者の視点によってあらゆる物語が想起されるような作用が特徴。制作においては、同じモチーフを半透明に重ねて描くことで、写真の多重露光のような効果をもたらしている。

 これまでの個展に、「アペルト 09 西村有 -paragraph」(金沢21世紀美術館、2018)、「portrait」(KAYOKOYUKI、東京、2017)、「project N 61」(東京オペラシティ アートギャラリー、2015)など。展覧会に、「ACT Vol. 1 -霞はじめてたなびく」(トーキョーアーツアンドスペース、2019)、「あざみ野コンテンポラリーvol.9 今もゆれている」(横浜市民ギャラリーあざみ野、2018)、「現代地方譚5 −想像の葦−」(すさきまちかどギャラリーほか、2018)など。受賞歴に、絹谷幸二賞(2017)、FACE 2014 損保ジャパン美術賞 優秀賞(2014)、シェル美術賞 2013 保坂健二朗審査員奨励賞(2013)、第6回はるひ絵画トリエンナーレ 奨励賞(2009)。作品は、清須市はるひ美術館、タグチ・アートコレクション、Green Family Collectionに収蔵されている。