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地主麻衣子

Maiko Jinushi

 地主麻衣子は1984年神奈川県生まれ。2008年多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業、10年同大学大学院美術研究科絵画専攻修了。大学在学中にドローイングや小説を手がける。10年よりそれらを発展させた「新たな文学」として、インスタレーションとパフォーマンスなどからなる映像作品を制作。地主がある男女の関係を書いたテキストを男性が読む(編集の段階で、パフォーマーの声は地主自身の声に変えられた)最初の映像作品《声》を公開。その後、欲望について打楽器奏者と話し合い、会話の内容に合わせて演奏を行うパフォーマンス《欲望の音》(2017)、タイ人の知人女性と「愛」という抽象的なテーマについてカメラ越しに対話し、パフォーマンス的要素を含めながら撮影したドキュメンタリー映像《新しい愛の体験》(2016)などを発表。作中では、独白や演説、人々が対話する姿などが複数の視点から映し出され、見る者を惑わせながら自己と他者・社会に関する考察へと導く。

 また近年は公開撮影の方法を取り、映像作品の可能性を広げることにも試みている。これまでの個展に、「欲望の音」(HAGIWARA PROJECTS、東京、2018)、「53丁目のシルバーファクトリー」(Art Center Ongoing、東京、2018)、「A New Experience of Love」(Ike no Soko、ニューヨーク、2016)。「恵比寿映像祭」(東京都写真美術館、2019)、「黄金町バザール2017」(神奈川)、「わたしの穴 美術の穴」(スペース23℃、東京、2015)などのグループ展に参加した。