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青木美紅

Miku Aoki

 青木美紅は1996年生まれ。18歳のある日、母親から、自身が両親に切望されて配偶者間人工授精で生まれてきた子供であることを打ち明けられる。これをきっかけに「人の手が加えられた生命」について調べ始め、世界初のクローン技術で生まれた羊の「ドリー」と自身が同じ年に生まれたことを知る。以降、自身を含めた「選択された生」にまつわる偶然と必然、与えられた祝福と呪詛についての考察を続けている。

 2019年に、ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校第4期の最終選抜成果展で金賞(最優秀賞)を受賞。あいちトリエンナーレ2019に招聘作家として最年少で参加し、自身の生年をタイトルとした《1996》を出品する。同作品では、ドリーの故郷のスコットランドと、障がいがありながら子を生み育てた女性のもとを訪れ、人の手が入ることで命をつながれた人をめぐる様々な欲望と希望を、ゾートロープ(回転のぞき絵)の技法を使ったアニメーションで表現した。20年に初個展「zoe」(BLOCK HOUSE、東京)を開催。ゾートロープなどの動的な手法を用いた作品のほか、ラメの糸で刺繍した絵画やインスタレーションを発表した。