青木美紅「1996120519691206」

　美術家・青木美紅による展示「1996120519691206」がNADiff Window Galleryで開催中。会期は1月24日まで。

　青木は1996年生まれ。18歳のある日、母親から、自身が両親に切望されて配偶者間人工授精で産まれてきた子供であることを明かされる。また、世界初のクローン技術で生まれた羊の「ドリー」と自身が同じ年に生まれたことを知り、以降、自身を含めた「選択された生」にまつわる偶然と必然、与えられた祝福と呪詛について考察を続けてきた。

　2019年に、ゲンロンカオス*ラウンジ新芸術校第4期主席卒業。あいちトリエンナーレ2019に最年少で招聘作家として出品。2020年には初個展「ʻʼzoeʻʼ」（BLOCK HOUSE、東京）を開催した。作品は主に、ラメの糸で刺繍した絵画や、ゾートロープ（回転のぞき絵）などの動的な手法を用いたインスタレーションを展開し、鑑賞者を作品世界へと誘い込む。

　本展では、大きな口を開けた「ヘルマウス」と呼ばれる悪魔から着想を得た、新作のインスタレーション作品が展示されている。