ハニカム構造に配置したドットにインクの層を何度も塗り重ね、凹凸のある作品を制作する小野耕石。撮影した対象を同じ場所にプロジェクターで投影、さらにそれを撮影し、写真における多重露光を駆使して作品をつくる増田将大。菊池遼は、仏教思想を背景として、鑑賞者に不思議な知覚体験をさせる作品を制作している。

彼らに共通するのは、版画の一種であるシルクスクリーンの技法を用いているということ。しかし3人は、芸術のジャンルや技法材料の枠組みにとらわれることなく、彼ら自身のやり方で、作品を制作している。

技法によって制限されることなく、自由な発想で生み出された作品がそろう本展に注目したい。