「EASTEAST_TOKYO 2025」(11月8日〜10日、科学技術館)小山登美夫ギャラリーブース

話題になった初開催時には見ることができなかった「EASTEAST_TOKYO」。今回も科学技術館という挑戦的な会場や、おもしろい試みのブースもあった反面、アートフェア然とした展示に終始し、説明不足なブースが多いなど、期待が大きかったため肩透かしを食った。そのなかで物故作家である古橋義朗の作品を展示した小山登美夫ギャラリーは異彩を放っていた。日本戦後美術のタッチと額装にも関わらず、古びない絵画。聞けばギャラリーオーナーの小山が日光の美術館で作品と出会い、遺族に連絡を取ったのだという。加藤美佳との二人展という組み合わせ、温故知新というアートの本質的な価値を、あの場所で提示するその姿勢に痺れた。
2025年日本国際博覧会[大阪・関西万博](4月13日〜10月13日、夢洲)

訪れること、語ることが、政治的な意思表明と人によっては捉えられかねなかった今回の万博。会場自体も、自国をどのように見せたいかという、抽象的な政治性が交錯するスリリングな場所だった。なかには、ウクライナ館のように直接的なメッセージの発信もあった。ブースに並んだ商品のバーコードに読み取り機をかざすと、商品に関連した戦渦の悲惨さを訴える動画が流れてくる。日本館は、開催国の面目を保つ、よく練られた構成になっていた。しかし、その緻密さが外国人鑑賞者に伝わるのか。歴史や文化財を強調する欧州に比べ、その要素があまり紹介されていない点は気になった。
三重野龍「龘|TOU」展(MIDORI.so Nakameguro Gallery)

デザイナーである三重野龍の初作品集刊行に合わせ、開催された展覧会。これまでに制作されたデザイン原画や成果物が、四方に所狭しと並べられていた。展示としては、オーソドックスな形式であるものの、熱量や必然性を強く感じた。三重野が立ち上げから関わってきたオルタナティブスペース「VOU/棒」も、奇しくも10周年。ひとつの区切りとしての展覧会は、同世代の私には込み上げてくるものがあった。後日、関西デザイン界随一の怪力の持ち主という真偽不明の噂を耳にしたが、それも納得できるような、きれいな線で描かれたドローイングや原画を堪能した。
























