広島・廿日市市のウッドワン美術館が所蔵する日本の近代絵画。その収蔵品によって、日本の近代絵画を紹介する熊本県立美術館の展覧会が、「モダンアート ニッポン!ウッドワン美術館名品選」だ。
江戸から明治への過渡期に、日本に一挙に到来した西欧の絵画技法。遠近法や陰影法、油彩など、人や物が目の前にあるかのような絵画技法は、当時の日本人を驚嘆させ、その技法を学ぼうとする画家も増えていった。西欧の同時代絵画に追いつくべく、ときに西欧にならい、ときに日本の伝統に即しながら、新たな絵画の創造を試みることで日本の絵画は近代化していった。
同展では、岸田劉生の麗子像のひとつ《毛糸肩掛せる麗子肖像》(1920)や、藤田嗣治の大壁画《大地》(1934)をはじめ、青木繁、藤島武二、横山大観や菱田春草らによる名画が一堂に会する。さらにフィンセント・ファン・ゴッホ《農婦》(1884〜85)、ルノワール《婦人習作》(1895)、《花かごを持つ女》(1895)も特別出品される。