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Museum from Home:東京ステーションギャラリー「奇蹟の芸術都市バルセロナ」展

新型コロナウイルスの影響で、会期途中で閉幕した展覧会や臨時休館となってしまった展覧会などの展示風景を紹介する「Museum from Home」。第4回は、2月28日に閉幕した東京ステーションギャラリー「奇蹟の芸術都市バルセロナ」展(本来の会期は2月8日〜4月5日)をご紹介します。

「奇蹟の芸術都市バルセロナ」会場風景 (C) 若林勇人

 ガウディやピカソ、ミロをはじめ、多くの芸術家たちを魅了してきたスペイン・カタルーニャ自治州の州都バルセロナ。東京ステーションギャラリーに巡回した「奇蹟の芸術都市バルセロナ」は、同地で芸術がもっとも成熟した約80年間にスポットを当てた展覧会だ。

 19世紀半ば、バルセロナの街は近代化が進み、1888年には万国博覧会も開催。カタルーニャ独自の言語と文化の復興運動「ラナシェンサ」が興り、文化的アイデンティティが確立されていく。19世紀後半には、都市の中心部にリュイス・ドゥメナク・イ・ムンタネー設計の「カザ・リェオー・ムレラ」、アントニ・ガウディ設計の「カザ・バッリョー」などの邸宅が建ち並んだ。

 19世紀末には、パリに渡った画家サンティアゴ・ルシニョルが、総合芸術を目指す「ムダルニズマ祭」を主宰。また97年にはルシニョルら4人がバルセロナにカフェ「四匹の猫(アルス・クアトラ・ガッツ)」をオープン。若きピカソも通い、初めての個展を開いた同店は文化の発信地となった。

 その後は98年の米西戦争敗北を機に、カタルーニャではスペイン中央政府との対立が激化。保守的思想が強まりを見せ、芸術ではかつて繁栄した地中海文明への回帰を特徴とする「ノウサンティズマ(1900年代主義)」と呼ばれる動きが誕生した。そして1936年7月にはスペイン内戦が勃発。反乱軍と結託したドイツ軍がバスク地方ゲルニカを攻撃し、ピカソをはじめとする多くの芸術家が立ち上がった。

 本展には絵画、ドローイング、彫刻から家具、宝飾品まで約130点が集結。世紀末カタルーニャの熱気を伝える内容となった。なお4月末には、会場の様子を伝える動画が美術館の公式ウェブサイトで公開予定。

「奇蹟の芸術都市バルセロナ」会場風景 (C) 若林勇人
「奇蹟の芸術都市バルセロナ」会場風景 (C) 若林勇人
「奇蹟の芸術都市バルセロナ」会場風景 (C) 若林勇人
「奇蹟の芸術都市バルセロナ」会場風景 (C) 若林勇人
「奇蹟の芸術都市バルセロナ」会場風景 (C) 若林勇人
「奇蹟の芸術都市バルセロナ」会場風景 (C) 若林勇人

編集部

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