SERIES / ジェンダーフリーは可能か? -
美術館とジェンダーをめぐる30年の戦い
笠原美智子×小勝禮子
シリーズ:ジェンダーフリーは可能か?(2)

中:石内都 mother's #49 2002 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵
右:「総合開館20周年記念 ダヤニータ・シン インドの大きな家の美術館」展(東京都写真美術館、2017)の展示風景


「戦後70年:もうひとつの1940年代美術」展に出品。
朝倉摂(1922-2014)は1940年代から日本画家として活動し、戦後は挿絵や舞台美術など幅広い分野で活躍した

「mother's」は、波乱の半生を背負った石内の母をひとりの「女」としてとらえ、その衣類や、遺品を丁寧に見ることを通して、確執が深かったという母との関係を見つめ直すシリーズ。石内は2005年にヴェネチア・ビエンナーレの日本館で展覧会を開催(企画=笠原美智子)。翌年東京都写真美術館で「石内都:mother's」展を開催した

ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

石膏ボードにアクリル絵具、木炭 244×940cm 福岡アジア美術館蔵

ヴィデオ 10分5秒 Courtesy of Cao Fei and Vitamin Creative Space
2点とも2012~13年「アジアをつなぐ-境界を生きる女たち1984-2012」に出品。
ナリニ・マラニ(1946年パキスタン生まれ)は画家として出発し、政治や宗教をテーマに、男性中心主義への問いかけも含む、重層的な意味を持つ絵画を特徴とする。
曹斐(1978年中国生まれ)は2000年代以降、大衆文化やサブカルチャーの手法を取り入れた作品で注目を集める


ダヤニータ・シン(1961年インド生まれ)の初期の代表作「マイセルフ・モナ・アハメド」は、オールド・デリーの墓地で暮らす、「第3の性」と呼ばれるユーナック (ヒジュラ:去勢された男性)であるモナ・アハメドを主題にした作品
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編集部