SERIES / ジェンダーフリーは可能か? - 2019.6.6美術館とジェンダーをめぐる30年の戦い笠原美智子×小勝禮子シリーズ:ジェンダーフリーは可能か?(2)左:朝倉摂 歓び 紙本着色 1943 194×110cm 神奈川県立近代美術館蔵中:石内都 mother's #49 2002 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵右:「総合開館20周年記念 ダヤニータ・シン インドの大きな家の美術館」展(東京都写真美術館、2017)の展示風景 朝倉摂 歓び 紙本着色 1943 194×110cm 神奈川県立近代美術館蔵 「戦後70年:もうひとつの1940年代美術」展に出品。 朝倉摂(1922-2014)は1940年代から日本画家として活動し、戦後は挿絵や舞台美術など幅広い分野で活躍した石内都 mother's #49 2002 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵 「mother's」は、波乱の半生を背負った石内の母をひとりの「女」としてとらえ、その衣類や、遺品を丁寧に見ることを通して、確執が深かったという母との関係を見つめ直すシリーズ。石内は2005年にヴェネチア・ビエンナーレの日本館で展覧会を開催(企画=笠原美智子)。翌年東京都写真美術館で「石内都:mother's」展を開催した長島有里枝 Self-Portrait(Brother #34) 1993 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵ナリニ・マラニ 略奪された岸辺 1993 石膏ボードにアクリル絵具、木炭 244×940cm 福岡アジア美術館蔵曹斐(ツァオ・フェイ) 影夢人生 2011 ヴィデオ 10分5秒 Courtesy of Cao Fei and Vitamin Creative Space 2点とも2012~13年「アジアをつなぐ-境界を生きる女たち1984-2012」に出品。 ナリニ・マラニ(1946年パキスタン生まれ)は画家として出発し、政治や宗教をテーマに、男性中心主義への問いかけも含む、重層的な意味を持つ絵画を特徴とする。 曹斐(1978年中国生まれ)は2000年代以降、大衆文化やサブカルチャーの手法を取り入れた作品で注目を集める東京都写真美術館で開催された「総合開館20周年記念 ダヤニータ・シン インドの大きな家の美術館」展の展示風景ダヤニータ・シン 「マイセルフ・モナ・アハメド」より 1989-2000 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵 ダヤニータ・シン(1961年インド生まれ)の初期の代表作「マイセルフ・モナ・アハメド」は、オールド・デリーの墓地で暮らす、「第3の性」と呼ばれるユーナック (ヒジュラ:去勢された男性)であるモナ・アハメドを主題にした作品3 / 9 記事にもどる 編集部