福島大学が中心となって2004年にスタートし、東日本大震災以後は「福島の伝統文化と東日本大震災後のFUKUSHIMA」をキーワードに開催されてきた「福島ビエンナーレ」。今回は、16年に福島県・中通りの二本松市で行われた「重陽の芸術祭」とともに、新たに浜通りの南相馬市で行われる「海神の芸術祭」ともつながり、2つの拠点でより広範囲にわたって開催されることとなった。
二本松市では、二本松市智恵子記念館で高村光太郎、高村智恵子、切り絵作家・福井利佐の作品を展示、大山忠作美術館では小松美羽の大規模な個展を開催。一方の南相馬市では、埴谷雄高と島尾敏雄の文学資料館で作品を展示、大正時代に建てられた映画館・朝日座では遠藤ミチロウのライブや『KUROZUKA 黒塚』の上映などを行う。ほかにも福島市でヤノベケンジによる希望のモニュメント《サンチャイルド》が再展示されるなど、福島の様々な場所で、多様なメディアを使った作品が展開される。
アーティストたちが失われつつある地域文化に触れ、新たに生み出した芸術を体験しに、福島を訪れてみては。
参加アーティスト
荒井経、今井トゥーンズ、伊藤有壱、遠藤ミチロウ、開発好明、岩根愛、君平、小松美羽、サガキケイタ、坂内直美、鈴木樹里、鈴木美樹、二瓶野枝、村澤丈児、灰原千晶、福井利佐、古川弓子、ヤノベケンジ、若木くるみ、渡辺晃一、ワタリドリ計画、ドミニク・アリアディエール、カザリス・アラン、ブリジット・カーナルグエン、ミュリエル・リガール、フィリップ・ブロッケン、セシール・ブライスほか
(『美術手帖』2018年8月号「この夏・秋に行きたい!全国アートスポットガイド」より))