「重陽の芸術祭」は2016年から二本松市で開催されてきた現代美術の祭典。アートを通して地域の文化に触れる機会を増やすとともに、国際交流を活性化させる場となることを目的としている。会期初日となる9月9日は五節句の一つ「重陽」にあたり、ここから「重陽の芸術祭」の名前も付けられている。
「重陽の芸術祭」では、高村智恵子に関わる企画として高村智恵子の生家で清川あさみによる新作インスタレーションが展示されるほか、二本松智恵子記念館では高村智恵子の実物紙絵を展示公開。また安達ヶ原「黒塚」の鬼婆伝説にまつわる作品展示として福井利佐が安達ヶ原の「黒塚」と東北のお飾り(神宿りの紙飾り)にまつわるインスタレーションを制作。浅尾芳宣(福島ガイナックス)の作品『ヤンババ』や、幕末から明治前期にかけて活動した浮世絵師・月岡芳年の《奥州安達がはらひとつ家の図》が展示される。
このほか二本松城ではオノ・ヨーコの新作インストラクションと、ヤノベケンジの新作の巨大な黒猫《Ship's Cat》が発表される。
東日本大震災後、原子力発電所の事故によって伝統的な文化が失われつつある福島で、創作活動、鑑賞活動、体験活動を通して人々が幅広い芸術に触れ、交流する機会を設けることで、福島の地域文化を活性化させていく。