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「藝大取手コレクション展 2025」(東京藝術大学大学美術館 取手館)レポート。取手の藝大美術館が再始動。地域に開かれたコレクション展【3/4ページ】

 藝大のもうひとつの特徴として、優れた成績を収めた学生の卒業・修了制作を大学が「買い上げる」制度が挙げられる。これらの「買上作品」や、本学美術研究科博士課程の大学院生を対象とし、とくに優秀な作品へ贈られる公益財団法人 野村財団の「野村美術賞」を受賞した「野村美術賞受賞作品」も、取手館に収蔵されている。

 ふたつ目のセクション「卒業・修了制作:学びの集大成」では、日本画、油画、彫刻、工芸、デザイン、先端芸術表現、GAP(Global Art Practice)といった各専攻の買上および野村美術賞受賞作品を紹介。作品のクオリティはもちろん、研究成果や独創的な発明など、多角的な視点から鑑賞でき、学生が時代の空気を受けながら多様な表現に挑戦してきた軌跡が見て取れる。

展示風景より、「卒業・修了制作:学びの集大成」。左壁面手前には千住博の修了制作《回帰の街》(1984)のほか、左壁面中央には2024年度の卒業制作として、生成AIで出力したイメージを再構成し、自身で描き直した會見明也による《残像偶像no.3[境界面上において変わりゆく自他について]》(2024)も展示される
展示風景より、髙橋賢悟《origin as the flower funeral》(2022)。本作は「極薄鋳造物の製造方法」として、その製法から発明された作品であり、特許を取得した例として展示されている
展示風景より、小瀬村真美《薇-sweet scent-》(2003)。映像作品も様々なメディアで保管されている