「松山智一展 FIRST LAST」(麻布台ヒルズ ギャラリー)レポート。独自の視点でとらえる「世界」【5/6ページ】

 一転して、眩いほどの真っ白な空間に展開されたのが「Pan-Am Spirituality」だ。ここでは、千羽鶴から着想した、東洋の精神性を反映する抽象画のシリーズが、これまでパブリック・アートなどで展示されてきたステンレス鋼製の立体作品と並置された。踊りという身体表現そのものを探求した《Dancer》をはじめとする立体作品は、それ単体でも全体像を把握するのが難しい造形を有する。さらには見る角度によってその鏡面に絵画のモチーフが混ざり合うことで、より複雑さを増していく。

展示風景より
展示風景より

編集部