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「特別展 武家の正統 片桐石州の茶」(根津美術館)レポート。江戸の武家茶道を牽引した知られざる茶人に迫る

展示風景より
展示風景より、洞月筆、真巌宗乗賛《片桐石州像》(江戸時代 明和4年・1767 芳春院) ※前期展示(~3/9)後期は別の肖像画が展示される
「二、石州をめぐる人々」展示風景より、手前の書状は小堀遠州から石州に送られたもの。石州が来訪した際に取り上げた茶入の合わせを誉めている。奥には表千家の四代が石州から拝領した茶入が見える
「三、石州の茶の湯」展示風景より
「三、石州の茶の湯」展示風景より、もっとも愛用した茶入 《尻膨茶入 銘 夜舟》(桃山~江戸時代・16~17世紀、根津美術館)と付属品の揃い
「三、石州の茶の湯」展示風景より、「夜舟」の付属品の仕覆と木型。それぞれに「遠州好」「石州好」が記されている。木型は仕覆の裂を傷めてしまうため、現在は使用されていないそうだ
「三、石州の茶の湯」展示風景より、もうひとつの愛蔵の茶入 《肩衝茶入 銘 奈良》(江戸時代・17世紀、個人)と付属品の揃い
「三、石州の茶の湯」展示風景より、3つめの愛蔵の茶入《肩衝茶入 銘 八重垣》(江戸時代・17世紀、愛知県立美術館[木村定三コレクション])と付属品の揃い。豪華な仕覆のほか、牙蓋にもそれぞれの好みで微妙な違いがあるのを確認しよう
「三、石州の茶の湯」展示風景より、石州の墨蹟はきりっとしながらもどこか流麗さを感じさせる
「三、石州の茶の湯」展示風景より、石州は依頼に応じて茶杓を多く制作している。本展では7点が揃う
「三、石州の茶の湯」展示風景より、西村弥三右衛門作《松笠釜》(江戸時代・17世紀、個人)石州がつくらせ、24会の茶会のうち22会に登場したと記録される釜は、茶記には「ちちり」(松笠のこと)と記されているそうだ。小ぶりながら大胆で珍しい茶釜
「三、石州の茶の湯」展示風景より、片桐石州作 《瓢炭斗》(江戸時代・17世紀、岐阜プラスチック工業株式会社)。瓢箪の器は、虫喰いを避けるため漆を塗ることが多いが、伝来者のひとり松平周防守が添えた付属品の蓋裏に、そのままに手入れして使うようにと書付がある。伝来ともに貴重な一品
「三、石州の茶の湯」展示風景より、四代将軍徳川家綱への献茶に使用された道具たち
「三、石州の茶の湯」展示風景より、《唐物肩衝茶入 銘 師匠坊》(南宋時代・12~13世紀、出光美術館)点茶ののち、将軍と老中が盆にのせて鑑賞した茶入
「四、石州の茶の広がり」展示風景より
「四、石州の茶の広がり」展示風景より、「石州流」の茶書
「四、石州の茶の広がり」展示風景より、《蔦蒔絵棗》(江戸時代・17世紀、個人)。品川東海寺の怡渓宗悦が「石州公好」と箱書した茶器。木地目を活かした蒔絵の妙に注目
「四、石州の茶の広がり」展示風景より、《青磁筒花入》(明時代・16~17世紀、彦根城博物館) ※前期展示(~9/9)後期には井伊直弼の茶会記に登場する花入と考えられる石州作の「竹尺八花入」が展示される
「四、石州の茶の広がり」展示風景より、 《東都茶入大相撲》(江戸時代、嘉永4年・1851、個人)。幕末の茶人番付表では中央と両側の袖に「石州派」の重鎮の名が刻まれる
展示室5「百椿図 ―江戸時代の椿園芸―」展示風景より
展示室5「百椿図 ―江戸時代の椿園芸―」展示風景より、初公開の板谷波山作 《彩磁椿文香炉》(大正時代・20世紀、根津美術館[三嶋英子氏寄贈])
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編集部