東京・竹橋の丸紅ギャラリーで、パリを拠点に活動するカメルーン出身の現代美術家、セルジュ・ムアングの日本初個展「和フリカ ―第三の美意識を求めて―」が開催される。会期は5月8日~6月8日。
ムアングはアフリカと日本に由来する美的感覚を融合した「Wafrica」という作品群で新たな表現領域を創出。世界的に注目されている。
本展では、日本の漆によって彩られたアフリカの伝統的マスクや、アフリカの布でつくられた着物、《ブラッド・ブラザーズ》のように表象的なインスタレーションの代表作を展示する。
例えば「Kimono」は、2008年からムアングが「第三の美意識」を追求した結果、たどり着いた最初の作品シリーズだ。アフリカ生地と現代的な和のスタイルの結合から誕生した着物は、実用的でありながら自然な美しさを醸し出している。
また「Urushi Sculpture」は日本の漆芸とアフリカのマスクが出会った作品シリーズ。アフリカの木彫りマスクは、漆芸職人の大河原勝、大西長利、松島さくら子らの協力のもと、漆を塗り重ねて平滑なフォルムへと変容している。
《月太陽》のほか、本展のために制作された新作も展示される。「古今東西の美が共鳴する空間」という丸紅ギャラリーのコンセプトを、日本とアフリカの文化的親和性に光を当てることで表現する展覧会となる。