CG-ARTSの主催によりメディア・アートをはじめとした先進的な作品を扱う登竜門、「学生CGコンテスト(Campus Genius Contest)」。第28回のコンテストでは、国内外から卒業制作等を含む学生によってつくられた404作品が応募された。そのなかで、アート部門とエンターテインメント部門で最終審査会に残った46作品によるオンライン展覧会が7月(予定)まで開催中だ。
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本展の特徴は、46の作品を分類し、10の上映室に見立てたキュレーション。様々なテーマの上映室に分けることで、それぞれの学生作品から「現在」を見出すことができる。
例えば「上映室2:他者を知ること」や「上映室3:孤独と物語り」は、コロナ禍で希薄になったコミュニケーションやSNS、多様化する生き方を象徴したもの。「上映室4:死へのまなざし、生きること」も注目すべき展示だ。
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上映室4では、資生堂ギャラリーでの大規模な個展が記憶に新しい、岡ともみによる「あの世」と「この世」を想起させる反転した古時計と映像で構成されたインスタレーション作品《サカサゴト》をはじめ、多様な作品が展示。
自身の兵役時の就いた養老院での体験をもとにした全振圭(チョン・ジンギュ)による短編アニメーション《喪失の家/상실의 집 The House of Loss》や、「愛する存在がなくなったら?」という問いを考え、話題をさらった展覧会「END展」にも出展した大須賀亮祐、中根なつは、野島輝によるプロジェクト「死を変換する」、そして、森友問題で自死した赤木俊夫を演じゆく過程をドミュメンタリーアクティングの手法で公開した筒 | tsu-tsuによる《体の奉仕者》など、生と死をモチーフにした注目作が続く。
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オンライン展覧会では、審査員や評価員によるコメントも掲載されており、作品資料とあわせて読むことで作品に対する理解を深めることができる。「現在」を見つめるうえで、若い学生の作品こそ注目してほしい。