2020.12.28

「第14回 shiseido art egg」、橋本晶子が大賞に決定。3時間にわたる審査で語られたこととは?

資生堂が新進アーティストの支援を目的に、毎年主催している公募展「shiseido art egg」。若手の登竜門として毎回注目を集める同賞の第14回目となる審査会が12月4日に行われ、入選者の西太志、橋本晶子、藤田クレアのうち、橋本が大賞の「shiseido art egg賞」に輝いた。審査員たちによる熱い議論が交わされた、審査会の模様をレポートでお届けする。

文=杉原環樹 撮影=加藤健

授賞式の様子。左から、審査員の今井俊介、大崎清夏、「shiseido art egg賞」の橋本晶子、藤田クレア ※審査の議論を重ねた川上典李子は都合がつかず欠席、第一弾を飾った西太志はオンラインでの参加だった
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コロナ禍で実施された「shiseido art egg」

 ほかのあらゆる文化イベントと同様に、「shiseido art egg」にとっても2020年は異例の一年となった。

 同賞では毎年、数いる応募作家のなかから3名の入選者が選ばれ、資生堂ギャラリーで順に展覧会を開催、その後審査会で大賞を決定している。それが、今回は新型コロナウイルス感染症の影響により、展覧会の開始が当初予定の4月から10月に、審査会が12月に延期された。結果的に、入選者の発表から展覧会までの期間が約1年も開くという初の事態となった。

 美術作家の今井俊介、詩人の大崎清夏、ジャーナリストで「21_21 DESIGN SIGHT」アソシエイトディレクターの川上典李子が審査員を務めたこの日の審査会でも、出席者は会場の花椿ホールに距離を取って座り、万全の感染対策のもとで議論を交わした。今回から始められた社員鑑賞会に参加した社員有志は、オンラインでその模様を視聴。また会場には、青木淳・資生堂常務 社会価値創造本部長や、上岡典彦・社会価値創造本部アート&ヘリテージ室長も参加した。

「shiseido art egg」審査会の様子

 はじめに、展覧会の開催順に、各展の担当者より入選者の西太志、橋本晶子、藤田クレアの簡単な紹介が行われたあと、審査員が全体を振り返っての感想を話した

 鮮やかな色彩の幾何形態による絵画で知られ、自身も「第8回 shiseido art egg賞」の受賞者である今井は、「三人ともまるで色の違う作家で、それぞれの仕事をしっかりしている」と評価をしつつも、「同時に、自分がやりたいことを、ただやっているようにも見えることが危険だとも感じた。やりたいことと見せることのバランスにもっと意識を向けるべきではないか」と厳しい意見を述べた。「3人とも自分の欲望に忠実なのは良いと思う。そのうえで、どのように引き算をして展示に落とし込めるかという点に、共通の課題を感じた」。

 いっぽう、デザインに特化した施設「21_21 DESIGN SIGHT」で多くの展示に携わってきた川上は、「コロナ禍の時間のなかで、入選者のみなさんが考えたことがさらに深みを持つように展示に反映されていて、作家の現在の視点や姿勢が伝わってきた」と全体を振り返る。さらに、三者三様のなかにも共通するものが感じられたとし、それを「目の前の世界とその奥に潜むもの、目に見えないものとの関係に対する繊細な感覚」と説明。また、「空間の作り方にも試行錯誤の跡が見えた。とくにみなさん、照明の活かし方が上手かった」と、展覧会従事者らしい視点も加えた。

「shiseido art egg」審査会の様子

 アーティストの毛利悠子と共同制作を行うなど、アートとも関わりの深い詩人の大崎は、「私がアートに感銘を受けるのは、この世界にはこんなわからないことがあり、それに対しこういう問いの立て方、答え方があると見せてもらうとき。3展示ともそうした問いを立てていて面白かった」と評価。さらに、「コロナ禍の有無に関わらず、いまの若い世代はコミュニティや人間関係を結ぶのが困難な時代に生きている。そのなかで、自分なりの儀式を設定し、独自に関係を結ぶ術を3人とも見せていた」と感想を述べた。 

西太志展の講評

西太志展の展示風景より

 続けて、3名の入選者の各展示について、それぞれ議論が交わされた。最初は、虚と実の境界や匿名性をテーマに制作を行う西太志(1983年生まれ)。絵画と陶土による立体作品を織り交ぜながら、身の周りの情報に対する違和感やリアリティを表現してきた西は、今回、大展示室に新作を含む巨大な絵画を16点、壁と一体化するように並べて展示し、迫力の空間をつくりあげた。さらに小展示室には、自身のスタジオにある家具や段ボールなどを雑然と配置。そのなかに立体作品を置き、連続的だが気配の異なる二つの部屋をつくった。

 今回の展示プランは、西が長年温めてきたものだという。それを踏まえ今井は、同じ画家の立場から「絵をもっとしっかり見せてほしかった」と語る。「本人がやりたいことをしっかりと実現していて良かったが、同じ点数でも、絵をより見せるやり方はあると思う。情報量が多く、作品をしっかり見る前に焦点がぼやける」。いっぽうで「これだけの熱量で絵を描き続けられるのは才能だと思う」とも述べた。

 対して川上は、「小展示室の展示をすごくやりたかったことが伝わってきた。大展示室の絵画作品と小展示室での立体の作品やインスタレーションが相互に浸透するかのように感じられた」と述べる。「過去作を含む多数の作品を大展示室で紹介した点には意見が分かれるかもしれないが、それぞれに何かが隠れているように描かれ、実体のないものたちとリアリティとの関係を探る西さんらしい試みだと受けとめた」。展示の方法については、今井も触れていた照明の使い方の巧みさに共感。「照明によって多数の作品が床に映り込む様子も印象的だった」と川上も話した。

 大崎は「私には大展示室の絵画のインパクトが大きかった」とし、「とくに、西さんは現代の情報をゴーストに例えているが、事前に写真で絵を見たとき、登場するキャラクターがポップすぎると思った。が、実際に展示を見ると、様々なレイヤーの風景が浮かび上がってきて、むしろこのくらい軽い存在が飛び回っているほうがいいと納得した」と話した。

大崎清夏

 さらに大崎は、「3名のなかで、西さんの展示からはもっとも人を楽しませようとするエンターテインメント性を感じた。それを大事なことだと思う」と述べ、「一番詩を書きたくなったのはこの展示だった。それは絵のなかにたくさんの時間があるからで、観客に時間の推移を想像させる喚起力があった」と評価した。この意見に、川上も、「絵に物語的な奥行きがあり、読み解きの醍醐味がある」と共鳴した。

橋本晶子展の講評

橋本晶子展の展示風景より

 続いて、2番目の橋本晶子(1988年生まれ)の展示についての講評。日本画から出発し、現在は様々なメディアを含むインスタレーションを手がける橋本は、今回、会場の白い壁に呼応するように、白い紙に書かれた鉛筆画を展示。壁にテープで留められた絵には、植物や渡り鳥、グラスなどの卓上のもの、道の風景が描かれ、そこにライトの前を横切る観客の影が落ちることで、ギャラリー空間と遠くのどこかをつなぐ静謐な空間をつくりあげた。また会場中央には、卓上ライトに照らされた実際の植物やグラスが載る机も置かれた。

 大崎は同展について、「一番見方が悩ましかった。本人も展示をあまり説明したくないというスタンスで、受け取れるものが鑑賞者によってしまう点に危うさも感じた」とする。そのうえで、「自分は、鉛筆の匂いや影の動きに惹かれ、一枚一枚が心に積み重なるような感覚があった」と話した。いっぽう、子どもが風景の先を想像する『丘のむこうに何がある?』という絵本を例に出し、「本展はすごく想像力を稼働しないといけない。向こうが隠されていることにもどかしさを感じる場面が何回もあった」とも述べた。

 この大崎の意見に対し、今井は、「たしかにもやもや感はある」としつつも、「でも、アートはそれでも良いのかなと思う。僕は作家らしさだと受け取った」と話した。そんな今井が橋本についてとくに評価したのは、作家自身と展示との距離感だ。「欲望にただ忠実になるのではなく、空間をきちんと読み解き、自分の作品をつくることに冷静にトライしていた。ライトによる影と光の関係など、細かいところまでとても気が使われていた」。

今井俊介

 川上も、「あの空間で何ができるのかをすごく見極めたと思う」と評価。「鉛筆画の表現力、単色の表現と空間の余白の行き来も気持ちよかった。静的だが決して閉じていない展示で、広がりも感じられた」と話す。また、倉俣史朗が内装を手がけた新宿のバー「サパークラブ・カッサドール」に高松次郎が描いた、同じく影をモチーフにした壁画にも言及。「来場者の動く影のなかで、様々なものがつながったり揺れたりする提示の仕方がうまかった」と話した。他方、「意図をはっきりと打ち出してはいないので、鑑賞者の視点や状況で鑑賞にグラデーションが出てくる展示だとは思う」と、大崎の懸念にも理解を示した。

 ほかに橋本展については、「《Ask him》というタイトルの『him』が気になった。作家が女性なので、『私には訊かないで』と突き放されるような感覚もあった」(大崎)や、「わざとだと思うが、個性を出す描き方をしていない。今後はより技術を上げたり、あえて技術を下げるなど、幅をつくると新たな可能性もみえてくるのではないか」(今井)との意見もあった。

藤田クレア展の講評

藤田クレア展の展示風景より

 最後は、審査会中も開催されていた藤田クレア(1991年生まれ)の展示についての講評。ジェンダーなど様々な差異や境界、人間の関係性に関心を寄せる藤田は、自然物や人工物を組み合わせたキネティックな作品を制作してきた。本展では、大展示室の中央に蘭の花をモチーフにした巨大な噴水を出現させ、その周囲にピストン運動を繰り返す機械仕掛けの作品を配置。小展示室には、貝殻と機械を組みわせた作品や、ジェル状の液体に金属の棒が出し入れされる作品などを展示し、いくつものリズムが記憶を刺激する空間をつくった。

 今井は、藤田が直感的な動機から実際に巨大な噴水をつくったことを「すごい」としつつも、「そこに表現したいことや技術が追いついていないのではないか」と指摘する。他方、「ピストンの仕掛けが面白く、これだけでも展示ができると思う」と評価。また、ステートメントにある「銀座の地下で行われる秘密のボールダンスパーティー」という言語感覚に惹かれたと言い、「こういう感覚でものをつくれる人は面白いと思う。不思議な人。作家自身に興味を抱かせるという意味では魅力的な展示だった」と語った。

 大崎もこれに共感し、「一番感じたのは、性的なモチーフをあんなに明るく大らかに描ける人はなかなかいないということ」だと話す。「日本の性表現はじっとりしたエロティシズムに行きがちだが、美術史に詳しくない人間にも男性と女性のイメージの読み替えが行われていることがわかりやすく、次世代が参考にするものとして良いと感じた」。また、貝殻を用いた作品についても「遠いものと近いものがひとつの空間に収まっていて、作品から宇宙や自然の不思議が風通しよく伝わってきた」と評価した。

 川上も藤田本人の魅力に触れ、「国際経験や自然科学への関心もある。遠いものを大胆につなげるエネルギーを評価したい」と話した。また、藤田がプレゼンでアメリカの文化人類学者エドワード・T・ホールのパーソナルスペース論に言及したことを挙げ、「藤田さんがホールの考察を挙げていたことも興味深い。実際の作品にも多様な距離感が表現されていて、その読み解きを楽しめる」と語った。

 藤田展は、入選者発表からもっとも期間を空けて開催された。川上は資料を見て、「プランから展示が劇的に変わったのが見て取れる。新作の醍醐味があった」と語った。実際、藤田はコロナ禍を通じて、「関係性」というテーマにあらためて向き合ったという。このプランからの変更について大崎も、「美大で文章の授業を持っているが、みんな一度つくったものに固執して直すことができない。柔軟に変われることは大事な能力だと思う」と評価した。

 今井からは、日本の美術教育における藤田の異質性を指摘する声もあった。「藤田さんの展示はいい意味で軽い。日本の美大はいろんなものを詰め込む方向に行きがちだが、藤田さんにはそれと真逆の瞬発力を感じて気持ちよかった」。いっぽう、機械の動きのぎこちなさについては意見が分かれた。川上が「本人が納得していない点など今後の改良を願うが、今回の作品は生きている人間や社会を感じさせるともいえる。サイエンスを取り込みつつも、そこに変に引っ張られていない点は興味深い」と話したのに対し、今井は「気になる。一度、外注の経験をしてみるのも良いと思う。日本では自らの手でつくることが美徳とされるところもあるが、そこを変えてみてもおもしろい」と指摘した。

川上典李子

受賞者決定の審査

 休憩を挟み、審査会はいよいよ受賞者の決定の議論に移った。

 主な論点となったのは、橋本の手堅さや展示の上手さと、藤田のフレッシュさ、西の社会へのリアリティや熱量をどのように判断するかだった。

 橋本展について今井は、「卒なくまとめたとも言えるが、一定の共通言語があれば読み解ける展示。絵画=窓という考えかたを嫌味なく提示していて好感が持てる」と説明。川上は、「作家はコロナ禍と関連づけられたくないと思うが、私たちを包む現在の空気のなかで忘れかけていた世界の広がりを思い起こさせるものでもあった。また多様な隙間、空間の使い方や回遊的な鑑賞体験の構築など、全体構成もよく考えられていた」と話した。いっぽうで大崎は、「これが美だと観客にピュアに伝える力があった」としつつも、橋本展を弱く感じた理由として、「私が普段から詩でこういう世界に触れているからかもしれない。詩として受けとめるとオーソドックスな感じもした」と述べた。

橋本晶子展の展示風景より

 藤田展には、展示の新規性や作家の将来性に関する声が多く挙がった。大崎は、「展示空間に入ったとき、自分のこれまでいた場所と全然違う場所に来たと一番感じた」という。川上からも、「人間の本質を探ると同時に次の時代を予感させるアートの可能性を考えるとき、藤田さんのパワーは魅力的」との声があった。今井は、「西展や橋本展は美術展として良くも悪くもそれっぽい。それに比べて藤田展には思わず笑ってしまうような大胆さや裏切りがある」としつつ、「ただ、やはりクオリティが気になる。使いこなせていればおもしろいが、目についてしまう」と話した。

橋本クレア展の展示風景より

 西展について川上は、「西さんの社会に対するリアリティには共感した。小展示室の展示も、あそこでしかできないものだと思う」と評価。大崎も、「描き方はワイルドだが、現代的なテーマをわかりやすく伝えてくれていた」と話した。今井からも、「一番やりきった感があるのは西さん。あれだけの物量の持ち込みを決めたのはすごい」との声があった。しかし、同時に、今井からは、その物量のなかで焦点がぼやけていたとの指摘がふたたび挙がった。

西大志展の展示風景より

 最終的な判断の決め手となったのは、橋本の時代に流されない姿勢だった。今井は橋本展について、「一番地味な展示だが、だからこそ賞を与えたい。こうした展示が受賞することは、ほかの作家にも勇気を与える」としたうえで、「橋本さんの姿勢や言葉の使い方には時代にこびない覚悟を感じる」と話した。これに対して川上も、「橋本さんの作家としての潔さに惹かれる。そこから生まれ出る作品の醍醐味が静かに、強く響いてくる。大切な多くのことを考えさせられた」と共鳴。二人の話を受け、大崎は、「私たちはいま、日々いろんな情報を手に入れられるが、それによって思考を振り回される。その意味で、流されないで自分のやるべきことをやる才能は今後より希有になる」とし、「議論のなかでそのことを実感できた」と語った。こうして、最後は満場一致で橋本の受賞が決定した。

左から今井俊介、川上典李子、大崎清夏

審査員たちの感想

 「橋本さんには静かな熱が、西さんには長年温めてきたものが、藤田さんにはほぼ初個展のエネルギーがある」と今井も言うように、三者三様の魅力があるなか、3時間にもおよぶ議論が交わされた審査会。その感想を、終了後の会場で審査員それぞれに尋ねた。

 川上は、「3名それぞれの世界に加え、各自の挑戦がうかがえることもあり審査の難しさを感じた」としたうえで、そこにある現代的な共通点として、「万人に受け入れやすいものが増える時代にあって、目の前のものをただ受け取るのではなく、その奥を見ようとする批評性がある」と話した。そして、そのなかで「橋本さんの紙の奥に潜む果てしない世界に、私たちが見失っているものへと目を向けさせる力を感じた」とした。また、資生堂スタッフのサポートのもと、若い作家が敏感に感じたものを自信を持って出せる「shiseido art egg」という場の貴重さに触れ、その意義は時代のなかでますます大きくなっていると指摘した。

 大崎は詩人として、「言葉としてどう受け取るのか、自分のなかでどう言葉になるのかを考えながら展示を見た」と話す。そうしたなかで、当初、橋本展を賞候補から外した理由を、「言葉を誘発する西展や、私が詩を書く動機と共通するものを感じた藤田展に対し、橋本さんの言葉には完結性があり、入り込めなさを感じた」と説明。ただ、議論を通し徐々に印象が変わったと言う。とくに「自分の仕事をブレずにやっているという今井さんの意見に説得された部分が大きい」とし、「私も日々のニュースにおろおろしている。そのなかで自分に深く根を張ることは大切で、その重要性は同じつくり手として納得できた」と語った。

 今井は、「橋本さんの作品は一番自律的で、場所や時代に関わらず成立する強さがあった」と言う。いっぽう、西という絵画主体の作家が入選者に残ったことを「近年では珍しい」と指摘。今後はインスタレーションの一部ではなく、絵画そのものを見せる入選者も増えてほしいと話した。最後に、「日本ではある種の美術が流行ると、それ以外には光が当たりにくい傾向がある。でも、本当はいろんな美術があっていい」とし、「shiseido art egg」は淡々と自分の仕事をする作家を評価する場であってほしいと話した。

 コロナ禍において、例年とは異なる条件のもと行われた今回の「shiseido art egg」。さまざまな議論を経て、最終的に、橋本の時代に流されない姿勢や堅実な仕事ぶりが評価された審査会のプロセスは、それ自体が印象的なものだった。ここで審査員から語られた言葉を、3名の入選者がどのように今後の活動につなげていくのか。期待を込めつつ、注目していきたい。

授賞式での各作家の声

「shiseido art egg賞」を受賞した橋本晶子と、青木淳・資生堂 常務 社会価値創造本部長

橋本晶子 

イレギュラーなことも多かった展覧会でしたが、やりきることができました。いままでは準備から設営まで自分ひとりでやることもありましたが、今回は壁の数が多く会場も広かったので、いろんな方に手伝っていただいたことが展示実現には大きかったです。新型コロナの影響もあり、展示内容を変えますかというお話もいただきましたが、私自身の作品のテーマは社会状況などを反映するものではないので、むしろそこから離れたところにある作品。ですので、いまの状況を考えないようにしました。私の軸になっているのは「絵を描くこと」「絵とは何かを考えること」ですので、それは今後も続けていくつもりです。

西太志

今回のshiseido art eggは、新型コロナによる会期延期で難しい局面もありましたが、無事に終えることができていまはホッとしていますし、関係者の皆様にも感謝しています。個人的なことですが、この8月には息子が生まれ、子育てをしながら制作をしていたり、拠点が変わったりと、変化の多い半年でした。難しいこともありましたが、いっぽうで制作を続けるということは変わらないことでした。そのなかで、資生堂ギャラリーで個展を開催できたことはいい経験になったし、記憶に残る展覧会となりました。

藤田クレア

とっても楽しかったです。まだ消化しきれていませんが、展示期間中にも変化していく作品だったので、そのなかで予想外の気づきもありました。来場者の方々からのコメントからも発見があり、展示をすることの大切さを改めて実感しました。じつは作品発表していく自信もなくなっていたのですが、shiseido art eggで作品をつくることの楽しさをあらためて味わえました。アーティスト活動を続けていく自信になったことが一番大きいです。