世界有数の本の街として知られる東京・神保町。ここに新たなギャラリー「art gallery & Legion(アートギャラリー アンド・レジオン)」が7月4日にオープンした。
同ギャラリーを運営するのは、これまで一級建築士事務所を主宰し、建築家として住宅や医療施設、保育園等の建築デザインや設計監理に携わってきた三上紀子。これまでの活動のなかで、建物が竣工した際に、施主から「この空間に合うアートを探してきてほしい」と頼まれる機会があったという三上は、その度にギャラリーや作家を訪ね、建築空間とアート作品とをコーディネートしてきたという。
そうした体験から、「建築とアートを結びつけることができる場があれば」という思いでオープンさせるのが「art gallery & Legion」。同ギャラリーで取り扱うのは現代美術、建築、工芸の3ジャンル。また、これまでの建築家としての経験をもとに、パブリック・アートやプライベートスペースのアートプロデュースも行うとともに、作品の販売とプロモーションを目的としたイベントやセミナーなどの企画も手がける予定となっている。
そんな「art gallery & Legion」のこけら落としとなるのは、テキスタイルで立体作品を生み出す五十嵐通代の個展だ。五十嵐は猪熊弦一郎らが1936年に創設した新制作協会の会員。ステンレス線と糸や紙を用い、自らの手で織ったテキスタイルを立体作品として発表してきた。
テキスタイルでありながら質量を感じさせる作品が、真新しい空間とどのように呼応するのか。今後のギャラリーの展開とともに注目したい。