片山雅史は1984年京都市立芸術大学大学院を修了後、A.C.C.(旧Rockefeller 3rd Found)の招聘により渡米。90年代の中頃までシカゴと京都を拠点に活動し、95年には文化庁派遣芸術家在外研修員としてロンドン大学ゴールドスミス校に在籍した。
活動初期は《風のなる日のために》と題された黒い筆致による抽象絵画を展開。その後、90年中頃には金地にシルエットの植物が描かれた「HANA」シリーズ、90年代後半に入ると視覚と記憶との関係に関心に基づき制作された「皮膜」シリーズ、そして2010年以降は螺旋など主とした、墨線の集積による絵画作品を発表している。そうした作品は福岡市美術館、和歌山県立近代美術館、原美術館、インディアナポリス美術館、ホノルル美術館、パレスホテル東京、ワコールアートセンターなどに所蔵されてきた。
本展は「螺旋/蜜色の森」がテーマ。片山の新たなオリジナル作品を中心に、美術館で発表した過去の代表作をあわせて約30点が一堂に並ぶ。