『恋する惑星』や『花様年華』『ブエノスアイレス』などの映画作品で知られている香港の映画監督、ウォン・カーウァイ。今年10月にサザビーズ香港で開催される、ウォンとのコラボレーションセールの詳細が発表された。
10月9日に開催される近代美術イブニングセールでは、ウォンによる初のNFT作品《In the Mood for Love - Day One》がスターロットとして出品。同作は、『花様年華』の未公開映像をNFT化したもので、主演であるトニー・レオンとマギー・チャンが制作初日に撮影された貴重な映像が収められている。
アジア映画をNFT化して初めて国際的なオークションハウスに出品される同作。その予想落札価格は未定となっている。
ウォンはステートメントのなかで、同作について次のように述べている。「『花様年華』の最初の思いはどこから来たのか? それはわからない。確かなことは、1999年2月13日が、その思いを実行に移した最初の日であるということだ。映画製作の初日は、理想の恋人との初デートのように、薄氷を踏むような恐怖と喜びに満ちている」。
また、1997年のカンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した映画『ブエノスアイレス』のなかで、主演のレスリー・チャンが着用したレザージャケットも同セールの注目アイテムだ。ウォンは、この黄色のジャケットは「優しさ、反抗、孤独といった(レスリーの)印象的な存在を象徴している」と評価している。
そのほか、ウォンの制作会社であるジェットトーン・フィルムズの30周年を記念し、そのアーカイブのコレクターズアイテムを集めたセールが10月10日に開催。ウォンが厳選した小道具、衣装、ポスター、写真、ボックスセットなど30点が出品され、それぞれのアイテムにはウォンのサイン入り証明書が付属されている。