アメリカ・ラスベガスに本社を置く大手リゾート運営会社「MGMリゾーツ」。そのアートコレクションからパブロ・ピカソの作品11点が、10月23日にサザビーズのイブニングセールで競売にかけられる。
ラスベガスからライブ配信の形式で開催されるこのセールは、合計1億ドル(約109億円)の値がつくと予想。セールのハイライトは、ピカソのミューズであり、恋人でもあったマリー=テレーズ・ウォルターが描かれた《Femme au béret rouge-orange》(1938)で、予想落札価格は2000万〜3000万ドル(約22億〜33億円)となる。
また、ピカソの後期作品を代表する《Homme et enfant》と《Buste d'homme》(いずれも1969)の肖像画2点も出品され、それぞれの予想落札価格は2000万〜3000万ドル(約22億〜33億円)、1000万〜1500万ドル(約11億〜16億円)と推定されている。
加えて、ナチスによるパリ占領下の1942年に描かれた静物画《Nature morte au panier de fruits et aux fleurs》(1000万〜1500万ドル)や《Nature morte aux fleurs et au compotier》(600万〜800万ドル)、コンメディア・デッラルテ(仮面を使用する即興演劇)のキャラクターが描かれたドローイング(250万〜350万ドル)なども出品される。
全作品の先行展示は、サザビーズのニューヨーク本社(9月7日~13日)とラスベガスのベラージオ・ギャラリー・オブ・ファイン・アート(10月21日~23日)で行われ、台北(9月17日~18日)と香港(10月7日~11日)ではハイライト作品の巡回展示が予定されている。
なおイブニングセールにあわせて、10月21日〜24日の4日間、サザビーズが企画した自動車、宝石、時計、ハンドバッグなどの特別展覧会がMGMのARIAリゾートで開催。展示品は、10月末にサザビーズ・ニューヨークのオークションに出品される予定だ。
今回のセールについて、サザビーズのチェアマンでグローバルファインアートの販売責任者であるブルック・ランプリーは「MGMアートコレクションからピカソの代表的な作品を特別オークションで発表できることを光栄に思う」としつつ、「史上もっとも有名で、もっとも愛され、もっとも達成感のあるアーティストのひとりであるピカソほど、このユニークな芸術と文化の体験の幕開けにふさわしい人物はいないだろう」とコメントしている。