ジェフ・クーンズによる「MASTERS」は、クーンズが長年手掛けてきた「ゲイジング・ボール・ペインティング」(西洋絵画の巨匠たちの作品を大きなスケールで再現し、そこに鏡面仕上げの球体を合わせた作品)のイメージを、ルイ・ヴィトンのアイテムに落とし込んだもの。今年4月に発表された第1弾では、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ティツィアーノ、ルーベンス、フラゴナール、ゴッホの名作をバッグやアクセサリーに再現し、大きな話題を呼んだ。
そしてこの10月に発売される第2弾では、クロード・モネの《睡蓮》、ジョゼフ・ウィリアム・ターナーの《古代ローマ、ゲルマニクスの遺灰を持って上陸するアグリッピナ》、フランソワ・ブーシェの《ソファーに横たわる裸婦》、ポール・ゴーギャンの《かぐわしき大地》、ニコラ・プッサンの《パンの勝利》(パリ・ヴァンドーム広場の「メゾンルイ・ヴィトンヴァンドーム」の限定品)、そしてエドゥアール・マネによる《草上の昼食》がクーンズの手によって、ファッションアイテムへと生まれ変わる。
クーンズは、今回のコレクションのなかからマネの作品を再現したバッグ「ネヴァーフル」について、「これらの作品はどれも、私の一部となっています。誰かがこのバッグとともに歩いたり、カフェでくつろぐとき、そこにはヒューマニズムへの愛情溢れるコミュニケーションが生まれるのです」とコメント。ファッションとアートの融合を図っている。
なお、このコレクションに採用されたモネの《睡蓮》は東京の国立西洋美術館(松方コレクション)が、ゴーギャンの《かぐわしき大地》は岡山の大原美術館がそれぞれ所蔵しているもので、クーンズが日本の美術館コレクションを選んだ点にも注目したい。