演劇作家・藤田貴大が主宰する演劇団体「マームとジプシー」は、2013年にイタリア・フィレンツェで初の海外公演を行って以来、ツアーやワークショップなど、イタリアでの活動を続けてきた。
『IL MIO TEMPOーわたしの時間ー』は、そのなかで出会ったイタリア人俳優たちとともに、15年から双方の国を往復しながら制作されてきた作品。出演するのはイタリア人と日本人の俳優4名ずつで、舞台上ではイタリア語と日本語が行き交う。
物語の核となるのは俳優たちへの膨大なインタビュー。それぞれの個人的な記憶を解体して断片化されたエピソードが、藤田の手により、ホテルというシチュエーションのなかでひとつの時間として再構成される。
本作の制作過程は、昨年「『IL MIO TEMPO』ワークインプログレス」として公開されたが、公演というかたちでの発表は今回が初となる。マームとジプシーの3年にわたるプロジェクトの集大成に注目だ。