クリスティーズ、2017年上半期の取扱高は3917億円を記録。アジア勢の存在感が目立つ結果に

クリスティーズは8月1日、2017年上半期のオークションレポートを公開した。取扱高は29パーセント増加し、総額3917億円を記録したという。

藤田美術館所蔵重要中国美術品イブニングセールの様子 © Christie’s Images Limited 2017

 世界2大オークションハウスの一つ、クリスティーズが2017年上半期のオークションレポートを公開した。全取引高は3917億円で、内訳はアメリカが約1663億円、欧州・中東各国が約1159億円、アジアが約357億円となっている。

 約14億7000万円以上で落札された作品数は16年の14点から38点に増加。約1億4700万円を超える作品にビッドした新規顧客は29パーセント増加し、オンラインセールが新規顧客を呼び寄せる有効な手段になったという。

 17年上半期セールの参加者の約35パーセントがアメリカ、同じく35パーセントがアジアからで、残り30パーセントが欧州・中東各国からの顧客となっており、それぞれの落札総額はアジアが39パーセント増、アメリカが38パーセント増、欧州・中東各国が9パーセント増。3月にニューヨークのアジアウィークで開催されたセールでは、アジアの顧客による落札総額が前年比90パーセント増になるなど、アジア勢の存在感の高さが証明された結果だ。

 ジャンル別では、印象派代・近代絵画、戦後美術/コンテンポラリーでハイライトとなったのは、コンスタンティン・ブランクーシの《眠るミューズ》(ニューヨーク、落札価格約64億円)、マックス・ベックマンの《鳥の地獄》(ロンドン、落札価格約53億円)、サイ・トゥオンブリーの《レダと白鳥》(ニューヨーク、落札価格約59億円)の3点。

コンスタンティン・ブランクーシ 眠るミューズ 1913 © Christie’s Images Limited 2017

 いっぽう東洋美術では、上述のアジアウィークオークションで、同分野としては最高額の約373億円を達成している。ハイライトは藤田美術館所蔵重要中国美術品のイブニングセールで、落札総額は約294億円と予想落札価格を大きく上回る結果を収めた。

藤田美術館所蔵重要中国美術品のイブニングセールでトップロットとなった《六龍図》(落札価格約56億円) © Christie’s Images Limited 2017

 またオンライン部門では、「Christie’s LIVE」が約80億円、オンラインオンリーセールが約29億円となり、総額約109億円の取引高を記録している。

 クリスティーズCEOのギョーム・セルッティはこの結果を受け、「アジアのバイヤーが全体の35パーセントを占めるという驚異的な伸びが、良い結果につながっていると言えるでしょう。2018年の春に開催されるロックフェラーコレクションのセールへ向けても万全な体制で臨んでまいります」とコメントしている。

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